研究課題/領域番号 |
23K19908
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
草川 祐生 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 研究員 (80979469)
|
研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
|
キーワード | 足内在筋 / 足外在筋 / 足趾 / トレーニング / 筋量 / 筋機能 |
研究実績の概要 |
2023年度は、研究課題1:足底内在筋の筋活動水準の非侵襲的定量化法の確立として、内在筋の筋活動水準を筋機能的磁気共鳴画像(MRI)法によって定量評価することができるかどうかを検証した。具体的には,被験者3名に対して、足趾屈曲筋力発揮による運動負荷試験を実施させた。試験前後においてMRIを撮像し、ピクセルごとのT2(横緩和時間)値を計測した。 運動負荷試験前後における足底内在筋全体のT2値の平均増加率は、11.4%(8.2-14.7%)であった。足底内在筋個別筋のT2値の平均増加率は,次のとおりであった:母趾外転筋、8.4%(5.6-12.7%);母趾内転筋斜頭、18.8%(11.9-24.1%);短母趾屈筋、12.3%(8.6-14.4%);短趾屈筋、8.1%(5.1-13.9%);小趾外転筋、2.3%(0.5-3.2%);足底方形筋、18.7%(13.0-28.4%);背側/底側骨間筋、11.1%(7.0-17.2%)。本結果によって、足趾屈曲筋力発揮にともなって、足底内在筋の筋活動水準が増加することが示された。また、増加率は個々の足底内在筋でばらつきがあり、母趾内転筋斜頭や足底方形筋で大きな値が観察された。以上のことから,足趾屈曲筋力計を用いた足趾屈曲筋力発揮による運動負荷試験を伴う筋機能的MRI法の適用によって、足底内在筋個別筋の筋活動水準を定量評価することが可能であると考えられる。 2024年度は,2023年度に実施した研究課題1の拡充を図るとともに、適用した筋機能的MRI法を用いて、研究課題2:足趾屈曲筋力トレーニングが足底内在筋の機能向上をもたらす神経・筋生理学的メカニズムの解明に取り組む予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度には、研究課題1:足底内在筋の筋活動水準の非侵襲的定量化法の確立において、より多くの被験者を対象に実験を実施する予定であった。また、研究課題2:足趾屈曲筋力トレーニングが足底内在筋の機能向上をもたらす神経・筋生理学的メカニズムの解明を開始する予定であった。しかし,研究機材の破損と代替品の納品時期の都合により、研究開始時期がずれ込んだ。上記の理由により、現在までに研究課題2を開始できていないため、進捗状況はやや遅れていると感じている。一方、本研究で実施する一連の実験に関して、研究代表者が所属する研究機関の倫理審査委員会の承認を既に受けている。このことから、2024年度初頭より、研究課題2を開始する環境が整っていると言える。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の予定では、2023年度には研究課題1の完遂のみならず、研究課題2を開始する予定であった。しかし、研究機材の破損と代替品の納品時期の都合により、研究開始時期がずれ込んでしまった。そこで、2024年度は研究課題1の拡充を図るとともに、確立した筋機能的MRI法を用いて、研究課題2を速やかに開始する予定である。より具体的には、研究課題1において、より多くの被験者を対象に実験を実施し、筋力発揮に動員された足底内在筋の導出およびその活動水準の定量的評価法の開発に取り組む。さらに、2024年度初頭より、12週間のトレーニング介入実験を開始し、トレーニング前後における足底内在筋の筋量および筋活動水準に与える影響を探求する。以上により、本研究課題の目的:足趾屈曲筋力トレーニングによる足底内在筋の機能向上メカニズムの解明を達成することを目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定では、2023年度には研究課題1の完遂のみならず、研究課題2を開始する予定であった。しかし、研究機材の破損と代替品の納品時期の都合により、研究開始時期がずれ込んでしまった。そこで、2024年度は研究課題1の拡充を図るとともに、確立した筋機能的MRI法を用いて、研究課題2を速やかに開始する予定である。 そのため、2024年度において、研究課題1および2に参加する研究対象者への謝金、研究補助者に対する人件費、および各研究課題に必要な消耗品(感染予防のアルコール消毒液など)に対する費用が必要である。また、対外的に研究成果を発表するために参加する学会への旅費、および各研究課題の学術論文校正・掲載費が必要である。以上のことから、2024年度分の助成金を申請する。
|