研究課題/領域番号 |
23K19923
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宇野 絹子 京都大学, 農学研究科, 助教 (80980838)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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キーワード | 糖尿病 / CD44 / モデル動物 |
研究実績の概要 |
本研究の主たる目的である疾患合併状態における臓器連関、疾患連関の主要因子とメカニズムを明らかにするために、モデル動物における糖尿病病態の解析、「CD44」の発現状況、ターゲット臓器である筋肉における当該因子のタンパク発現を確認した。 糖尿病モデル動物であるdb/dbマウスとKK-Ayマウスを用いて、当該病態の解析を行った。両系統共に肥満を呈する2型糖尿病モデルである。以上の2系統と、正常対照群であるC57BL/6jマウスに高ショ糖・高脂肪食の給餌、及び水または食塩水を負荷したサンプルにおける、病態関連臓器(肝臓、腎臓、膵臓)の病態解析を行い、基礎となる発現病態を確認した。 また、高ショ糖・高脂肪食を給餌した、肥満を呈する2型糖尿病モデル動物のdb/dbマウスにおいて、疾患関連臓器のCD44発現を免疫組織科学的染色法によって検討した。その結果、CD44陽性細胞の増加傾向が観察され、糖尿病病態の発症や進行に影響を及ぼしている可能性が確認された。 糖尿病モデル動物に関して、上記系統マウスと同様に、肥満を呈する2型糖尿病モデルであるSDT fattyラットにおいても関連諸臓器の病態解析及び、CD44の発現について探索し、病態の進行とCD44発現に関連性がみられた。 筋肉組織中におけるCD44の発現を確認するために、筋肉組織におけるCD44免疫組織科学的染色の検討を行った。CD44の病態との関連性が強く示唆されている、非アルコール性脂肪性肝炎モデル動物の筋肉組織を用いた。その結果、筋線維間におけるCD44陽性のほとんど細胞質を有さない小型細胞が観察された。陽性細胞はその形態から筋内脂肪蓄積に関与することが報告されている間葉系前駆細胞の可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
糖尿病モデル動物の当該疾患関連臓器における病態解析を進め、一部のモデル動物において、CD44の発現状況は確認できた。一方で、CD44阻害による病態への影響を探索するための至適条件の確立には至らず、進捗がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
CD44阻害による影響の検討のため、至適条件探索のための解析を続けて行う。解析は、組織中及び血中のCD44を中心に探索し、病態との関連を精査する。用いる糖尿病モデル動物には、KK-Ayマウスと、同様に肥満を呈する2型糖尿病モデルであるdb/dbマウスを追加し検討を行う。また、実際にヒト糖尿病患者の治療に用いられてきた治療薬を与え、筋肉組織への影響を併せて検討し、CD44のバイオマーカー、治療薬としての有用性を探索する。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度は至適条件の探索を行い、次年度は治療効果の検討を行う計画で実施しているため、次年度使用額が生じている。 初年度完遂しなかった至適条件の探索及び、治療効果の検討によって得られる予定である筋肉サンプルの病理組織学的切片作製の依頼料及び、治療効果の検討に用いる中和抗体の購入、試験に供する実験動物の購入に用いる。
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