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2023 年度 実施状況報告書

ファージ投与が細菌集団に与える影響に関する理論解析

研究課題

研究課題/領域番号 23K19987
研究機関北海道大学

研究代表者

松木 彩星  北海道大学, 先端生命科学研究院, 博士研究員 (60983426)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
キーワードバクテリオファージ / 細菌 / ネットワーク
研究実績の概要

細菌感染症の新たな治療法として、ファージ療法(=細菌に感染するウイルスであるファージを用いる治療法)の確立が期待されている。ファージは特定の細菌のみを標的として感染するため、副作用が少なく済むと考えられている。しかし近年の研究は、細菌間の相互作用のために、ファージ投与の影響が標的以外の細菌にも及ぶことを明らかにしつつある。本研究では、ファージ投与が細菌の集団に対して及ぼす影響を明らかにすることを目指す。今年度は、相互作用する細菌とファージからなる微生物集団の個体群動態を記述した数理モデルを構築した。特に、2種の細菌がクロスフィーディングを行いながら共存するという系を考え、数値シミュレーションによってファージの標的ではない細菌が死滅してしまう可能性があることを明らかにした。また、ファージのバーストサイズや潜伏期間、細菌の増殖レートなどがファージ投与の効果に対してどのような影響を及ぼすかを調べた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

モデル構築と簡潔な場合でのシミュレーション・解析計算を行うことができた。これらが完了する時期が当初より若干遅れたために成果発表が当初計画どおりには行えなかった。

今後の研究の推進方策

3種以上の細菌を含むような複雑なネットワークを考え、ファージ投与の影響を評価する。また、近年の実験研究によってクロスフィーディング以外の相互作用(細菌によるpH調整など)が微生物集団の構成に与える影響が明らかになってきており、これらの相互作用をモデルに取り入れることも検討する。国内学会や国際会議で成果を発表する。

次年度使用額が生じた理由

コペンハーゲン大学の御手洗氏を訪問し研究議論を実施する予定だったが、解析完了が当初予定よりも遅れたため、訪問を次年度に延期した。また、成果発表も同様の理由で次年度に延期した。
次年度使用額はコペンハーゲン大学への旅費や投稿料に使用する予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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