研究課題/領域番号 |
18H02971
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山本 安希子 (山田安希子) 日本大学, 歯学部, 助教 (70452646)
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研究分担者 |
山本 武範 国立医薬品食品衛生研究所, 遺伝子医薬部, 室長 (80457324)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自己免疫疾患 / マイトファジー / IL-1a |
研究実績の概要 |
シェーグレン症候群は主に涙腺・唾液腺を標的とする自己免疫疾患であるが、これまで多方向からの研究が行われてきたにもかかわらず、その発症機序の詳細は不明である。一方、オートファジーは近年様々な疾患との関連が報告されているが、自己免疫疾患の発症機序に対する明確な知見は未だ得られていない。口腔領域における代表的な自己免疫疾患であるシェーグレン症候群においても同様で、オートファジーとの関連を示す報告はほとんどない。そこで、本研究ではオートファジーとシェーグレン症候群との関連を明らかにすることを目的とした解析を行う。 これまでに、申請者はミトコンドリアを介したオートファジーであるマイトファジー関連因子の発現がシェーグレン症候群モデルマウスにおいて上昇していることを示唆する結果を得ている。一方で、IL-1aがシェーグレン症候群に関連していることを示す報告が散見されるのに加え、最近ではIL-1aとマイトファジーとの関連を示す報告もなされていることから、申請者はシェーグレン症候群におけるIL-1aの役割に着目し、IL-1aの機能解析に着手している。IL-1aはアラーミン分子として知られているが、アラーミンとしての機能の他にも、核内に存在し重要な働きを担っていることが示唆されているが、詳細は不明である。シェーグレン症候群とIL-1a、およびマイトファジーについて、これらの相関性について詳細な解析を行うことを計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請者は2020年度より徳島大学から日本大学に所属が変更となった。そのため、計画していた解析は申請者が徳島大学に出向して行う予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大により徳島大学における入構制限を受け、実施できなかった。そのため、シェーグレン症候群モデルを用いた解析は実施できなかったが、現所属講座においても実施可能な実験系を用いて、新たなアプローチによりオートファジーを介したシェーグレン症候群の発症機序の解明を検討している。特に、IL-1aがシェーグレン症候群の発症に関与していること、また、IL-1aはマイトファジーにも関連することが報告されていることから、IL-1aに焦点をあてた研究を行っている。2021年度は2020年度に引き続き、IL-1aの細胞内局在の制御について解析を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は引き続き日本大学にて立ち上げた実験系を用いた解析を、シェーグレン症候群発症機序の解明につなげていくことを考えている。日本大学における解析を主軸に、社会情勢を考慮しつつ可能であれば徳島大学にも出向し、得られた結果についてシェーグレン症候群モデルマウスの病態に反映されるかを確認および検討することを予定している。
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