研究課題/領域番号 |
20H01221
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
波照間 永子 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任教授 (80336487)
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研究分担者 |
森田 ゆい 東京立正短期大学, 現代コミュニケーション学科, 講師 (10365455)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 琉球舞踊 / オーラル・ヒストリー / 創作舞踊 / 民俗舞踊 / 阿波踊り / ジェンダー |
研究実績の概要 |
2020年度は、新型コロナウィルス感染拡大により調査に支障があったため、研究期間を2022年度まで延長し、国内における研究に焦点を当て、下記の4点について研究を実施した。 1. 志田房子の創作活動:2020年当時、国指定重要無形文化財「琉球舞踊」(総合認定)保持者であった、志田房子氏の芸歴80年公演の調査を行った。上演された創作作品を、モチーフにより分類し、代表作《穂花》《あかゆら》の創作手法を明らかにした。その成果を「琉球舞踊家オーラル・ヒストリーと創作手法:志田房子80年の足跡」と題して第72回舞踊学会大会にて報告した。→研究代表者:波照間永子 2. 人間国宝・志田房子の歩み:2021年、研究対象者・志田房子氏が国指定重要無形文化財「琉球舞踊立方」(各個認定)保持者、いわゆる「人間国宝」に認定された。これを節目として、志田氏の歩みを、特定非営利活動法人日本伝統芸能教育普及協会むすびの会と明治大学アジア太平洋パフォーミング・アーツ研究所が共催する講座にて一般公開した。→研究代表者:波照間永子 3. 近現代における女性舞踊家のパイオニア:主に男性が担い手であった琉球舞踊界に、女性が参入し「女性舞踊家」の道を拓いた先駆者5名を対象に、その歩みと際立った功績を国立劇場おきなわ主催の公開講座にて公表した。→研究代表者:波照間永子 4. 阿波踊りの様式化と異装の変容:男装の女性による踊り「女ハッピ踊り」が様式化される過程と機能、踊りの動作とジェンダーの流動性を明らかにし、第72回舞踊学会大会にて報告した。→研究協力者:小林敦子(明治大学兼任講師) 5. 琉球古典舞踊《四つ竹》の創造と伝承:近世琉球王府による古典舞踊《四つ竹》の演出手法の変容について研究し『舞踊学』第43号に発表した。→研究代表者:波照間永子、研究協力者:松永明(明治大学客員研究員)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルスの感染状況を考慮し、日本国内で可能な研究テーマに焦点を当てたので、ほぼ順調に調査できた。 しかしながら、次の一点のみ研究方針の変更を行った。調査対象者・志田房子氏が2021年に、国指定重要無形文化財「琉球舞踊立方」(各個認定)保持者に認定された。そのため、当初、2020年度を区切りとして「芸歴80年」の足跡を纏めた報告書を公開する予定であったが、今後の更なる活動を加えた報告書にすべきであると判断し、志田房子オーラル・ヒストリー研究の調査期間と公開時期を延長することとした。
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今後の研究の推進方策 |
上記【現在までの進捗状況】に記した「志田房子オーラル・ヒストリー研究の調査期間および公開時期の延長」方針を踏まえ、「足跡」という大きなスパンによる公開ではなく、特定のテーマを設定した短報(論文・研究ノート・資料など)に分割して、学術誌に投稿する。それを統合・調整し、将来的に一冊の報告書に纏め公開する方策とする。 また、琉球舞踊と歌舞伎舞踊の「扇子を用いる技法」に関する英文論文も、査読を経てリバイス中である。2023年度中の掲載をめざす。→研究代表者:波照間永子・研究分担者:森田ゆい(東京立正短期大学)
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