研究課題/領域番号 |
20H01230
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
田草川 みずき 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (10367097)
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研究分担者 |
和田 修 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (20240541)
大楽 和正 新潟県立歴史博物館, その他部局等, 研究員 (20526959)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 古浄瑠璃 / 佐渡 / 人形浄瑠璃 / 民俗芸能 / 近松門左衛門 |
研究実績の概要 |
本研究は、佐渡に残された貴重な芸能でありながら、伝承者や指導者が高齢化し、その存続が危ぶまれている佐渡古浄瑠璃人形芝居についての研究基盤を確立すべく、これまでの研究成果を総括および可視化するとともに、音声・映像を含めた関連資料を保存・公開するという総合的研究により、その伝承を確実なものとすることを目的とする。 研究開始年度となった2020年度は、コロナ禍により、首都圏から佐渡島への渡航が憚られ、現地での調査・研究が実施できなかった(補助金のうち旅費分の余剰額は、学術振興会に返還)。そのため、当初の研究計画に停滞が生じたが、計画の変更を行い、可能な箇所から鋭意進めることとした。 そうした変更の結果、今年度は現地調査を保留とし、主として研究基盤の早期確立を目指す、データ整理と調査を優先して行った。関係資料のデータベース化、録音・映像資料の博捜等である。この成果のひとつとして、佐渡島で長く刊行され、多くの読者を得ている郷土史研究誌『佐渡郷土文化』156号に、研究代表者が「近松研究からみる佐渡古浄瑠璃―資料公開と研究基盤の構築に向けて」との論考を投稿した(2021年5月刊行予定)。この投稿には、当該研究誌の誌面をお借りして、本研究の概要・目的を紹介し、佐渡の関係各所、関係者各位に、本研究計画への協力を仰ぐ意図もあった。 佐渡の伝承者の一部には、電話にて協力を依頼し、聞き書きの実施、人形や語り本の調査・撮影の許可を得た。また、研究代表者・分担者とで情報交換を行い、佐渡古浄瑠璃の音声・映像資料の所在情報の共有と、現在の状況確認を進めつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始年度となった2020年度より、新型コロナウイルスの感染拡大がはじまり、首都圏在住の研究代表者・分担者は佐渡島への渡航自粛を余儀なくされた。新潟在住の分担者は1度渡航できたものの、高齢者の多い佐渡古浄瑠璃の伝承者との長い接触は憚られる状況であった。 年度途中からは研究計画を見直し、可能な箇所から鋭意進めることとした。新たな計画についても代表者・分担者間で相談を進め、今後は遅れを修正していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の影響はまだしばらく続くことが予想されるため、本研究課題の紹介も兼ねた研究代表者の論考「近松研究からみる佐渡古浄瑠璃―資料公開と研究基盤の構築に向けて」(『佐渡郷土文化』156号、2021年5月刊行予定)を、アンケートと共に佐渡の関係機関・関係者各位に郵送、協力を求める。 新潟在住の分担者は、社会状況を充分考慮の上、佐渡への渡航が可能であれば伝承者への聞き書きを行う。なお、新たな分担者・協力者として、新潟近郊の研究者に加わってもらうことも協議している。 また、佐渡古浄瑠璃の映像および音声資料を保存している、早稲田大学演劇博物館などの研究機関の所蔵資料一覧を作成し、資料の複製・公開についての交渉を行う予定である。
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