研究課題/領域番号 |
20H01232
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
高橋 悠介 慶應義塾大学, 斯道文庫(三田), 准教授 (40551502)
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研究分担者 |
岡本 綾乃 (道津綾乃) 神奈川県立金沢文庫, 学芸課, 主任学芸員 (40443410)
貫井 裕恵 神奈川県立金沢文庫, 学芸課, 学芸員 (40782868)
落合 博志 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (50224259)
西岡 芳文 上智大学, 文学部, 教授 (90443407)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 聖教調査 |
研究実績の概要 |
(一)「千字文説草」の調査研究:内容の主題に応じて、表紙の右上に千字文を付して分類された金沢文庫の説草群「千字文説草」について、これまで作成した翻刻の基礎稿をもとに、原本もしくは原本を撮影した写真や、類話の文献類と付き合わせてチェックする作業を継続して行った。高橋秀城氏(大正大学非常勤講師、真言宗普済寺住職)・恋田知子氏(慶應義塾大学准教授)を研究協力者として進めている。 (二)「釈門秘鑰」等の調査研究:同じく金沢文庫の唱導資料のうち、安居院流の重要資料である「釈門秘鑰」についても、すでにある写真資料などをもとに、翻刻作業を行った。安居院の唱導資料に関連する研究文献の収拾につとめつつ、資料の全体像をふまえながら、翻刻の方針を決め、翻刻の作成を進めた。 (三)寺院聖教の研究:建武三年(一三三六)に称名寺の素睿が二世長老釼阿から伝授された素睿本神祇書一結について、その内容が『天照念誦〈秘口决〉』に示される神道灌頂と密接に関わることをふまえて考察し、論文化した。また、日本中世に流布していた舎利関連経典の抜書を多く収める『釈尊御舎利儀軌』の伝本を調査し、同書に記されている説話が『三国伝記』に収められている背景について、『三国伝記』の論集に執筆した。また、称名寺長老の密教諸流の伝授の様相や、鎌倉における密教伝授の重要な拠点となった甘縄の無量寿院などについての論文も公にした。 (四)寺院聖教の撮影:神奈川県立金沢文庫において、同文庫学芸員の研究分担者を中心に聖教の撮影を行い、今後の研究資料として保存した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
感染症対策で、予定通り調査ができないところもあったことによる。
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今後の研究の推進方策 |
感染症対策などで調査が行えない機関もあるが、撮影済みの画像をもとにした検討と研究など、可能な範囲で課題を推進する予定である。
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