研究課題/領域番号 |
20H01240
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山下 一夫 慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 教授 (20383383)
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研究分担者 |
戸部 健 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (20515407)
平林 宣和 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (40271358)
佐藤 仁史 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (60335156)
二階堂 善弘 関西大学, 文学部, 教授 (70292258)
千田 大介 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 教授 (70298107)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 皮影戯 / 京劇 / 木偶戯 / 宣巻 / 伝統芸能 |
研究実績の概要 |
研究初年度である2020年度は、新型コロナウイルスの影響により、大学における研究集会の開催や国外における現地調査の実施が難しくなったため、計画の大幅な変更を余儀なくされた中で、研究を遂行するための基盤の確立を目標とした。 まず春期にWeb会議によって研究集会を行い、それぞれの研究分野・対象に即して課題の洗い出しを行った上で、ネットを利用した現地協力者との意見交換を行い、さらに文献資料の収集・分析を中心に進めた。その上で、2020年内に現地調査の実施を計画していたが、新型コロナウイルスの流行が収束せず、海外渡航による調査が不可能となったため、ひとまず初期的な見通し・成果を総合し、冬期にWeb会議による研究集会を開催してレビューと意見聴取を行った。その上で2020年度の補助事業の完了時期の10ヶ月延長を行い、国内における資料の収集・分析の期間を追加した上で、研究期間全体におけるロードマップの基礎的部分の確立を行った。その過程で得られた研究成果については、口頭発表5件、論文10件、共著7件として発表を行った。このうち、山下一夫「台湾皮影戯『割股』考」と千田大介「旧西唐故事初探」は、本研究の目的として掲げた4つの項目のうち、「①移民・経済活動などに伴う芸能文化の伝播・流通、および現地化の実態」、「②芸能文化とそれを取り巻く地域社会の特質および政治・経済的背景」について、それぞれ台湾皮影戯と北京・河北・東北地域の皮影戯を軸に、全体のパースペクティブを示した論考として位置づけられる論考であり、今後の研究計画の遂行において重要な課題を提示し得たものと言うことができるだろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの影響により、国外における現地調査を実施することができなくなったため、それに基づいて行う予定だった研究期間全体におけるロードマップの基礎的部分の確立が遅れ、2020年度の補助事業の完了時期の10ヶ月延長を行わざるを得ない状況となった。しかしその一方で、国内で利用可能な資料の収集・分析に多くの時間を用い、本来予定していた以上の様々な研究成果を発表することができた。両者を総合すると、研究はおおむね順調に進展しているということができるだろう。
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今後の研究の推進方策 |
春期にオンラインにて研究集会を開催し、現地協力者との意見交換と文献資料の収集・分析も行った上で、新型コロナウイルスの流行が収束した場合は、安全に十分留意した上で現地調査も実施すると同時に、確立後に行う予定であった地方文献、文書、台本資料などの収集・分析も並行して進め、秋期ないし冬期に研究集会を開催し、年度末までに学術雑誌での研究成果の発表も行って、ロードマップの確立・修正と、研究の深化を同時に行うものとする。
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