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2021 年度 実績報告書

近現代中華圏における芸能文化の伝播・流通・変容

研究課題

研究課題/領域番号 20H01240
配分区分補助金
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

山下 一夫  慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 教授 (20383383)

研究分担者 戸部 健  静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (20515407)
平林 宣和  早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (40271358)
佐藤 仁史  一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (60335156)
二階堂 善弘  関西大学, 文学部, 教授 (70292258)
千田 大介  慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 教授 (70298107)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード皮影戯 / 京劇 / 木偶戯 / 宣巻 / 伝統芸能
研究実績の概要

2021年度は、本来であれば前年度に確立した研究期間全体のロードマップに従い、現地調査コーディネータの調整によって調査団を組織し、台湾・広東・福建・マレーシア・北京・東北などで現地調査を実施するとともに、地方文献、文書、台本資料などの収集と分析を進め、研究の深化をはかる予定であった。しかし前年度は、新型コロナウイルスの影響により、大学における研究集会の開催や国外における現地調査の実施が難しくなったため、計画の大幅な変更と予算の繰越申請をせざるを得ない状況となった。
そこで、現地協力者との意見交換と文献資料の収集・分析を行ってロードマップの修正を行った上で、2021年度の海外現地調査は行わないこととし、また研究の一部を2022年12月まで繰越して、地方文献、文書、台本資料などの収集・分析を進め、春期の5月15日と冬期の12月25日にオンラインで研究集会を開催、学術雑誌での研究成果の発表も行い、著書3件、論文5件、口頭発表7件を公表した。
海外調査に行くことができなくなってしまったのは残念であったが、一方で様々なオンラインツールを活用する機会が双方に生じたことで、海外との情報や資料のやり取り、また研究者間での議論などをコロナ以前よりも細かに行うことが可能になった上、オンラインでの研究会など、口頭発表の場も増え、さらに収集文献の分析に多くの時間を割くことができたため、研究を深化させることができた。これにより、本研究の目的のうち、近現代中華圏における伝統芸能の①移民・経済活動などに伴う芸能文化の伝播・流通、および現地化の実態、②芸能文化とそれを取り巻く地域社会の特質および政治・経済的背景、③芸能文化における西洋近代の影響についての解明については、大きく研究を進展させることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルスの影響により、国外における現地調査を実施することができなくなったため、それに基づいて行う予定だった研究期間全体におけるロードマップの修正を行い、2021年度の補助事業の完了時期の10ヶ月延長を行わざるを得ない状況となった。しかしその一方で、国内で利用可能な資料の収集・分析に多くの時間を用い、本来予定していた以上の様々な研究成果を発表することができた。両者を総合すると、研究はおおむね順調に進展しているということができるだろう。

今後の研究の推進方策

春期にオンラインにて研究集会を開催し、現地協力者との意見交換と文献資料の収集・分析も行った上で、新型コロナウイルスの流行が収束した場合は、安全に十分留意した上で現地調査も実施すると同時に、確立後に行う予定であった地方文献、文書、台本資料などの収集・分析も並行して進め、秋期ないし冬期に研究集会を開催し、年度末までに学術雑誌での研究成果の発表も行って、ロードマップの確立・修正と、研究の深化を同時に行うものとする。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (5件) (うちオープンアクセス 5件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 薛家将征西故事小説変遷考2022

    • 著者名/発表者名
      千田大介
    • 雑誌名

      中国都市芸能研究

      巻: 20 ページ: 62-94

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 台湾皮影戯における潮州語2022

    • 著者名/発表者名
      山下一夫
    • 雑誌名

      中国都市芸能研究

      巻: 20 ページ: 5-27

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 校正觀世音修行香山記稿2022

    • 著者名/発表者名
      山下一夫
    • 雑誌名

      中国都市芸能研究

      巻: 20 ページ: 133-158

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 補強される植民地の記憶 ――秦源治「大連・旅順絵葉書コレクション」解説――2021

    • 著者名/発表者名
      大野絢也、佐藤仁史、梅村卓
    • 雑誌名

      満洲の記憶

      巻: 8 ページ: 1-10

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 秦源治「大連・旅順絵葉書コレクション」目録2021

    • 著者名/発表者名
      大野絢也、佐藤仁史、梅村卓、秦源治
    • 雑誌名

      満洲の記憶

      巻: 9 ページ: 11-79

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 中国の人形劇―分布と上演形態―2022

    • 著者名/発表者名
      山下一夫
    • 学会等名
      国際人形劇連盟日本センター
    • 招待講演
  • [学会発表] 日本戲劇研究中的戲劇史敘述方式2022

    • 著者名/発表者名
      平林宣和
    • 学会等名
      二十世紀中國戲劇史論壇
    • 国際学会
  • [学会発表] 京腔通俗伝奇と薛家将故事2021

    • 著者名/発表者名
      千田大介
    • 学会等名
      公開講演会「中国古典戯曲の本色と通俗」
  • [学会発表] 潮州系の演劇と台湾の影絵人形劇2021

    • 著者名/発表者名
      山下一夫
    • 学会等名
      公開講演会「中国古典戯曲の本色と通俗」
  • [学会発表] 現代中国における民俗文化復興の諸相――蘇州郊外の穹窿老会に即して2021

    • 著者名/発表者名
      佐藤仁史
    • 学会等名
      中国都市芸能研究会2021年度春季大会
  • [学会発表] 被歌頌的地方記憶:從《南匯縣竹枝詞》看清末民初江南的水域社會2021

    • 著者名/発表者名
      佐藤仁史
    • 学会等名
      中央研究院近代研究所主催「2021中央研究院明清研究國際學術研討會」
    • 国際学会
  • [学会発表] 梅蘭芳と天平文化 1919年の東京公演と大正期における中国文化受容2021

    • 著者名/発表者名
      平林宣和
    • 学会等名
      中国都市芸能研究会2021年度冬季大会
  • [図書] 暮らしのなかの健康と疾病―東アジア医療社会史2022

    • 著者名/発表者名
      福士由紀、市川智生、アレクサンダー・R・ベイ、金穎穂、戸部健(ほか)
    • 総ページ数
      296
    • 出版者
      東京大学出版会
    • ISBN
      9784130203111
  • [図書] 元明清戲曲資料彙編2021

    • 著者名/発表者名
      千田大介、山下一夫、氷上正、川浩二
    • 総ページ数
      1450
    • 出版者
      台湾:博揚文化
    • ISBN
      9789865600518
  • [図書] 浮生:水上人的歴史人類学研究2021

    • 著者名/発表者名
      賀喜、科大衛、佐藤仁史(ほか)
    • 総ページ数
      440
    • 出版者
      上海:中西書局
    • ISBN
      9787547518175

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公開日: 2023-12-25  

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