研究課題/領域番号 |
20H01261
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
内海 敦子 明星大学, 人文学部, 教授 (70431880)
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研究分担者 |
塩原 朝子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (30313274)
稲垣 和也 南山大学, 外国語学部, 教授 (50559648)
三宅 良美 秋田大学, 国際資源学研究科, 教授 (70396547)
SRI BUDILESTARI 立命館アジア太平洋大学, 言語教育センター, 講師 (80833342)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | マレー語 / 言語シフト / 言語使い分け状況 / コードミキシング / 談話における特徴 |
研究実績の概要 |
2022年度は感染症対策に関して入出国に伴う困難があったため、計画通りにインドネシアへの現地調査が実行できなかった。そのため、2023年度に繰り越して現地調査を行った。稲垣研究員はインドネシアのカリマンタンでの調査を行った。三宅研究員はジャワ島とスマトラ島での調査を9月から12月にかけて長期間行った。 現地調査で「話者の言語使用に関する認識」を調査するため、適切な質問項目を選択したアンケートを作成した。レスタリ研究員はコードスイッチングやコードミキシングの実態を調査し、分析した。塩原研究員はマレー語のコーパス作成とその分析に当たった。研究会では国家の方針としてコントロールが可能な教育媒介言語、自治体の施策、言語の市場価値、職業選択におけるそれぞれの言語の優位性、コミュニティにおける宗教的儀礼などにおけるそれぞれの言語の威信の度合い、などの変数のうち、どれが人々の言語使用に一番大きな影響をもたらすのかを分析し、議論した。レスタリ研究員は2023年に調査を繰り越し、ランプンで1人のインフォーマントとその家族に2時間ほどライフストーリー調査を実施した。稲垣調査員は2023年3月14日~23日、パランカラヤに滞在し、中カリマンタン州言語振興局(Balai Bahasa)のアントニー・ニャフ氏(言語調査研究スタッフ)と カティガン川流域およびカハヤン川流域におけるマレー語の言語情況についての意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
感染症対策のため、2022年度に行えなかった現地調査を2023年度に行った。そのため、2023年に行った現地調査で得られた調査データの分析が十分に行えておらず、2024年度にまとめて行う。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はこれまでの調査の結果を様々な学会で発表し、そのフィードバックを基に論文を執筆、発表する。4月から6月にかけて研究会を複数回開催し、2023年度までに収集した調査票の内容について共同研究員間で成果を共有する。コードミキシングおよびコードスイッチングの分析手法についても協議した上で、成果を確認し、共有する。同時に、インドネシア・マレーシア両国の経済状況や進学率など、言語使用の変化の変数と考えられる言語学以外の範疇のデータに関して各研究分担者が蒐集した数値を言語使用の変化とつき あわせ、更なる分析を進める。今までにボルネオ島各地、スマトラ島各地、ジャワ島各地において各地点300人(若年・中年・高齢各100人)前後の社会言語学的調査票を集めることができた。それを学会発表に向けてまとめていく。7月以降9月までは補完の現地調査を行う。各研究員の調査地点は、内海:ボルネオ島サバ州およびマレーシア各地、稲垣:カリマンタン島中部州、三宅:ブリトゥン島およびジャワ島各地、塩原:スラウェシ南部マカッサル市、レスタリ:スマトラ島南部ランプン市およびジャワ島各地である。併せて談話資料のアーカイブ化を進める。待遇表現と言語使い分けの分析については、これまであまり行えなかったため、7月以降に分析を進める。10月以降は論文執筆を行う一方、11月の言語学会に向けてワークショップの準備を進める。10月から2月にかけて書籍発行に向けて、各自が論文をまとめ、一冊の本にまとめていく。
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