研究課題/領域番号 |
20H01295
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
西尾 由里 名城大学, 外国語学部, 教授 (20455059)
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研究分担者 |
巽 徹 岐阜大学, 教育学部, 教授 (10452161)
Rogers James 名城大学, 外国語学部, 准教授 (50533527)
上斗 晶代 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (60196665)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 発音 / ICT教材 / インテリジビリティ / 習得困難度 / 出現頻度 / 教科書分析 / 発音ガイドライン |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、次世代を担う真に使える英語を身に付けたグローバル人材育成のために、小・中・高・大学生の英語発音に関する包括的な到達目標と評価のガイドラインの作成である。ガイドライン作成にあたり、各学年の代表的な教科書の単語出現頻度を調べるとともに、習得困難度(発音が困難である音声特徴)とインテリジビリティ(コミュニケーションの阻害要因となる音声特徴)の3つの視点を取り入れた音声項目を取り入れ、学習者の音声を分析し、最重要学習項目の優先順位を付ける。さらにその優先順位をつけた音声特徴を入れた教材として、英語母語話者の発音特徴を画像と学習者自身の発音映像を比較できるICT教材を開発し、その効果を検証する。それらの結果から、CAN-DOチェックリストや音声テストなどの評価の仕方を検討する。上記の実証的データを得て、小・中・高・大学生の発音ガイドラインを作成し、ICT教材とともに広く公開していく。 2020年度の予定は、(1)既存の音声教材・音声ICT教材・先行研究の分析・整理。 (2)小・中・高・大の代表的な教科書選定し、小・中・高・大のテキスト分析 (頻度分析)をする予定であった。現在小学校英語の代表的な検定教科書3社のデジタル教材を分析中である。大学教科書においては、選定中である。中学、高校に関しては、新学習指導要領に合致した検定教科書を2021年度、2022年度用のものについて選定する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度はCOVID-19の対応に追われ、前期は十分な研究時間の確保が難しく、教科書分析等がかなり遅れていた。また、中学・高校については、新学習指導要領に合致した教科書の分析のほうが適していることから、分析を2021年度2022年度に継続して行うこととした。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は小学・中学の検定教科書について分析を行う。次にそのデータをもとに、小学生・中学生を対象として聞き取り・発音実験を行う。まず、(1) 小・中学生へ聞き取り実験、発音を採取する、(2) 聞き取り実験と音声から発音困難な音声特徴を洗い出し(習得困難度)、次に、(3) コミュニケーションの障害となる音声特徴を明らかにする、(4) 学習優先順位を決定する (Nishio & Tsuzuki, 2014参考)という流れである。 (1) 発音実験用英語単語・文章の選定。2020年度に行った教科書の頻度分析から、先行研究などから習得困難でかつインテリジビリティに関係すると予測される音声特徴を含み、またコミュニケーション活動によく使われるような語彙・文章を選定する。その語彙・文章の聞き取り実験、発音を採取する。小1年~6年・中1年~3年の各学年(各25名×全9学年=225名+予備5名=230名) (2) 英語母語話者による聞き取り実験を行う。単語・英文を聞かせ、英語母語話者の発音に近いかという観点から評定する(習得困難度の順位を確定)。 (3) 英語母語話者による書き取り実験を行う。単語・英文を聞かせ、内容が分かるかという観点から評価を行う(インテリジビリティの順位を確定)。 (4) (2)と(3)の評価に加え、音響分析を行い、優先順位を確定。今までの研究成果をまとめ、学会発表または論文で公表する。
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