研究課題/領域番号 |
20H01311
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
伊香 俊哉 都留文科大学, 文学部, 教授 (80347369)
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研究分担者 |
齋藤 一晴 日本福祉大学, 子ども発達学部, 准教授 (00624777)
安達 宏昭 東北大学, 文学研究科, 教授 (40361050)
小林 元裕 東海大学, 文化社会学部, 教授 (80339936)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 日中戦争 / アジア太平洋戦争 / 華北 / 興亜院・大東亜省 / 動員・対日協力 |
研究実績の概要 |
本科研のテーマに関連して、研究会、シンポジウムで以下の報告をメンバーが行ってきた。日本平和学会2021年度春季研究大会:戦争と空爆問題分科会(2021年5月30日)伊香俊哉「日本の華北軍事・政治支配研究の現状と課題」、安達宏昭「戦時期日本の華北経済支配-食糧増産政策の変遷をめぐって-」、中国首都師範大学東亜歴史研究中心・北京大学東北亜研究所共催「東亜区域史視野下的中日戦争」(2021年10月16日)安達宏昭「日中戦争期日本の華北経済支配と食糧政策」、伊香俊哉「日本軍・日本兵はなぜ戦争犯罪を犯すのか」、小林元裕「BC級戦犯裁判と阿片麻薬問題」、本科研日中合同オンライン研究会(2021年12月18日)小林元裕日中戦争期「傀儡政権(偽政権)」の研究動向について」、同(2022年2月20日)齋藤一晴「日本軍占領下の華北における教育・文化工作を研究する今日的意義と課題」。 また各メンバーの研究活動概要は以下の通りである。伊香俊哉:日本軍の華北占領支配の実態を評価する上で重要な治安強化運動と新民会についての先行研究および史料を整理し、データベース化を進めた。小林元裕:日本軍の華北占領にともなって中国人によって設立された対日協力政権(傀儡政権〔偽政権〕)の日中両国におけるこれまでの研究動向を整理し、本研究において取り組み、解明すべき論点を研究会で提示した。安達宏昭:日中戦争下で日本が華北地域に対して行った食糧増産政策について、数か所に分散する国内の史料所蔵機関を調査するとともに、史料集の購入・収集を進め、その分析を行った。齋藤一晴:日本軍占領下の華北における教育に関わる文献や史料を購入、収集し、日中両国の研究史の整理を進めた。教育行政、政策とともに教育を受けた側の意識や影響なども視野に入れながら分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本科研は「戦時期日本の中国占領・支配の総合的研究」というテーマの下、従来研究蓄積が薄い、華北地域に重点を置き、とりわけ北京の中国社会科学院近代史研究所図書館、北京市档案館、北京大学図書館、天津の天津市档案館といった機関での史料収集を進めることを予定していた。予期せぬ2020年以後のコロナウイルス感染拡大により中国への渡航ができない状態が続いているため、その重点部分が実施できない状態である。それを補うため、近年中国で公刊された大型史料集を中心に、種々文献の入手に努め、その分析を先行させているが、現地での史料収集ができていないという点で、当初計画より進行がやや遅れていると評価している。
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今後の研究の推進方策 |
前述したように、現在まで本科研テーマに関連する中国側の大型史料集や研究文献類、日本側の史料集や研究文献類の収集に力を入れてきており、各メンバーはそれらの読解・整理・分析をすでに開始している。今後コロナ感染が収束し、中国現地での史料収集が可能になることが期待できるので、それが可能となった際には、できるだけ早く現地史料館等での調査を実施する予定である。また引き続き文献史料集等の分析を各メンバーごとに進めて行く。 また2023年度は本科研メンバー4名と、中国側研究者4名で本科研のテーマに沿った論文集を刊行する予定であり、2022年度中にその原稿を執筆する予定である。
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