研究課題/領域番号 |
20H01320
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
平原 英俊 岩手大学, 理工学部, 教授 (30241491)
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研究分担者 |
徳留 大輔 公益財団法人出光美術館, その他部局等, 学芸員 (10751307)
藪 敏裕 岩手大学, 教育学部, 教授 (20220212)
桑 静 岩手大学, 理工学部, 准教授 (20878441)
會澤 純雄 岩手大学, 理工学部, 准教授 (40333752)
森 達也 沖縄県立芸術大学, 美術工芸学部, 教授 (70572402)
劉 海宇 岩手大学, 平泉文化研究センター, 客員教授 (70649441)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 中国陶磁器 / 産地推定 / 流通ルート / 国際共同研究 / 比較 |
研究実績の概要 |
本年度も日本に流通した中国産陶磁器の理化学的分析を基にした①「産地推定研究班」、出土資料の考古学研究を中心とする②「比較流通研究班」、そして文献史料を中心に中国国内の陶磁器の流通状況を研究する③「文献史料班」がそれぞれ分担しながら研究を進めた。 ①「産地推定研究班」は、基礎的データベース作成は、令和2年度に行った京都・平安京跡の出土資料に加えてその周辺域からから出土した中国産陶磁器についても、可搬型ポータブル複合X線分析装置を用いた分析を、京都市埋蔵文化財研究所において行った。注目される結果としては、京都出土の白磁には、中国南方産の製品と思われるものについては、平泉や博多出土の白磁と、同じ地域の窯の製品が多いと思われる一方で、やや時期的に古いと思われる白磁の一群の中に中国北方産の製品が舶来している可能性を理化学分析においても指摘することができた。 ②「比較流通研究班」は、京都、博多、鎌倉、沖縄の出土資料について、各博物館や埋蔵文化財センター、大学などが所蔵する遺跡出土の中国産陶磁器について観察調査および情報交換を行った。また中国国内の内陸地域の近年の出土資料などから得られた知見をもとにしたワークショップ(平泉セミナー)を7月に行った。 ③文献史料班は、とくに宋金時代における海域と内陸の水運に関する交通路、金と南宋の政治史的・経済史的視点から見た流通経路について関連史料の集成とその特徴を整理した。 日本と中国(山東省水下考古中心、上海博物館、広州市文物考古研究院の研究分担者・協力者をまじえて、2022年2月20日(土)に対面とオンラインによる国際シンポジム「11~14 世紀における中国陶磁の生産と流通―日本・中国の事例を中心として―」を開催した。また同シンポジウムでは以下の予稿集を発行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染拡大の影響のため、令和2・3年度に予定していた中国における調査研究は、令和4年度以降に年度以降に変更した。国内調査に関しては、京都での追加調査を実施したが、沖縄・鎌倉における調査は、新型コロナ感染拡大の影響のため、令和4年度へ延期した。現在、①「産地推定研究班」の研究に関しては、中国また国内もコロナ禍のため調査の延期などが続いており、一部進捗状況に影響が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度に関してもいずれの研究班も日本国内における調査を優先して行う。とくに鎌倉・沖縄の遺跡から出土した中国陶磁器に関しては可搬型ポータブル複合X線分析装置を用いての分析、比較のためのデータベースの構築を進める。令和3年度に行った平安京出土資料に加えて、鎌倉・沖縄の資料も加え、これまでに集積した中国の浙江省・福建省のデータなどの生産地資料との比較分析も進める。
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