研究課題/領域番号 |
20H01359
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大谷大学 |
研究代表者 |
狭川 真一 大阪大谷大学, 文学部, 教授 (30321946)
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研究分担者 |
時枝 務 立正大学, 文学部, 教授 (00217473)
田中 裕介 別府大学, 文学部, 教授 (30633987)
角南 聡一郎 神奈川大学, 国際日本学部, 准教授 (50321948)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 仏教葬送墓制 / 神道葬送墓制 / 修験道葬送墓制 / キリスト教葬送墓制 / 石造物 |
研究実績の概要 |
今年度は神道系の墓所の調査を実施した。春日大社社家墓地では数家分の墓標の確認と銘文の読み取り調査を行った。ほぼ予定のエリアは終了させたが、実測図作成と拓本作業は、調査候補資料の選定を行ったものの、実作業は令和3年度へ持ち越した。伊勢市慶光院墓所は、多くの研究協力者が参加できたこともあり、予定以上の進捗が得られた。関連資料の収集も一部ながら実施することもできた。令和3年度は補足調査を行ったうえで、実測図の整理、トレース、拓本整理などを経て、報告書の刊行を目指す。 また、霧島市霧島神宮の神宮寺であった華林寺の墓所における考古学的な調査は、コロナ禍の影響を大きく受けて未着手に終わってしまったが、既存の整理成果を入手することができ、関係者と研究成果の公開にむけて打ち合わせを完了した。令和3年度には未着手の調査を実施するとともに、報告書刊行に向けての整理を進める予定である。 また分担者はそれぞれの担当分を整理するとともに、修験道では関連遺跡のリスト化が行われ、令和3年度に行うべき調査地点の掌握が進んだ。キリスト教の墓は既存の調査成果がまとまりつつあり、データ整理を実施した。 これらと並行して行っている仏教による墓所の調査は、機会あるごとに調査を進めており、これまでの成果を整理するとともに宗派別に特徴が出る時期とその宗派について調査を開始した。最初に日蓮宗による特徴的な墓所の傾向について、情報収集を行った。また、他の宗派についても一部の研究者に研究協力を要請した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響で計画していた一部地域(霧島市)での現地調査が出来なかった。しかし、その他の計画(春日大社社家墓地、伊勢市慶光院墓所)はほぼ順調に進捗するとともに、一部の現地調査(伊勢)は予定分を越えて進捗したものもある。 また、遅れた地点(霧島)のカバーをするべく既存の調査成果の点検に力を入れたことから、現地で行うべき調査の課題が見いだせた。そのため結果的には現地における調査作業の省力化が図られた。近在地(春日)での調査は、ほとんどコロナの影響を受けることなく、一定の進捗を得ることができた。 これらを総合的に捉えて「おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の影響がない場合、伊勢市慶光院墓所については補足調査(主として拓本)を実施して完全に現地調査を終了させ、早い段階で報告書の作成を行う。また、春日社家墓地の調査も補助員を増員するなどして、現地調査をできるかぎり終わらせる方向で調整中。遅れていた霧島神宮の神宮寺・華林寺墓地は考古学的な調査を行ったうえで、報告書刊行にむけて作業を進める予定である。 神道関連以外の調査では、キリシタン墓地の実態を分担者とともに実施する予定であり、修験道関係はリスト化が進んでいるので、具体的な調査計画に入る予定である。
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