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2020 年度 実績報告書

アジア太平洋地域の小地域別将来人口推計に関するウェブマッピングシステムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 20H01396
配分区分補助金
研究機関青山学院大学

研究代表者

井上 孝  青山学院大学, 経済学部, 教授 (10211749)

研究分担者 井上 希  国立社会保障・人口問題研究所, 社会保障基礎理論研究部, 研究員 (30827754)
小池 司朗  国立社会保障・人口問題研究所, 人口構造研究部, 部長 (80415827)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード将来人口推計 / 小地域 / アジア太平洋地域 / ウェブマッピング
研究実績の概要

2020年度は、対象とする8つの国・地域のうちすでにウェブシステムを構築している日本と台湾を除く6か国に関して、小地域別の人口データと境界データの入手を試みた。その結果、2年次分の人口・境界データを完全な形で入手できたのは米国のみであった。残る5か国のうち、オーストラリア、ニュージーランド、カナダの3か国については、2年次分の人口・境界データを入手できたが、人口データについてはいずれもランダムな加工処理がなされており、そのままでは利用できないことが判明した。このうちオーストラリアについては、強力な加工処理がなされているため加工前のデータを入手する必要があるとの結論に達した。一方、ニュージーランドとカナダについては、比較的弱い加工処理であるため、2021年度においてその処理の影響を低減させる計算上の方策を検討する。また、韓国のデータについては外国人の入手が困難であることが判明した。さらに、マレーシアについては小地域別のデータの提供がなされていないことが判明したため、代わりにインドネシアを対象国に含めることとした。インドネシアのデータについては、ウェブ上からの入手は困難であるが、現地に赴けば入手できる可能性があることが判明した。
以上のように、小地域別の人口データと境界データについては、当初想定していた8つの国・地域だけでは、さまざまな事由により将来人口推計が可能な形で入手できる国が限られていることが判明した。そのため、2020年度は、8つの国・地域以外の、アジア太平洋地域の主要国20か国あまりについて、同様のデータが入手可能かどうか網羅的に調査を行った。しかしながら、残念ながら、小地域別の将来人口推計が可能な形のデータを提供している国は調査対象とした国では皆無であることが判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究が対象とする8つの国・地域のうち、すでにウェブシステムを構築している日本と台湾を除く6か国に関して、小地域別将来人口を実施するためのデータの入手を試み、そのうち、米国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダの4か国において2年次分の人口データと境界データを入手することができた。そのうち米国については、将来人口推計をするための、面積按分法などによりデータの加工も完了した。米国以外の3か国については、ランダム処理の問題を解決する必要があるが、オーストラリアについては加工前のデータの入手を試み、ニュージーランドとカナダについてはランダム処理の効果を軽減する手法を検討する予定である。残る2か国のうちマレーシアについては、データが提供されていないことが分かったため、インドネシアに変更して現地に赴いてデータの入手を試みる予定である。最後の韓国については、韓国在住者であればデータを入手できる見通しが立ったので、研究協力者を介して入手を試みたいと考える。
以上のように、いくつかの問題が生じたものの、当初想定した8つの国・地域のうち、1か国を入れ替えただけでデータの入手またはその見通しがたったので、この点については2020年度の研究計画以上に進展していると考える。一方、オーストラリアについては、将来人口推計の実施とウェブサイトの構築、米国については将来人口推計の実施まで行う予定であったが、上述したような問題が生じたため実施できなかった。これらについては研究計画よりも遅れていると認めざるを得ない。

今後の研究の推進方策

まずは、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、インドネシア、韓国の5か国について、小地域別将来人口が実施できる形での人口データと境界データの確保をめざす。オーストラリアについては、現地の研究者を通じて、ランダム処理前の小地域データの入手を試みる。ニュージーランドとカナダについては、ランダム処理の効果を低減する手法の開発を行う。インドネシアについては、渡航が可能になり次第、現地に赴いてデータの入手を試みる。韓国については、現地の研究協力者を介して入手を試みる。
つづいて、米国の将来人口推計を実施しウェブサイトの構築を目指す。米国については、最終的には、GQP(施設等居住人口)等の補正などを通じた、より精度の高い推計や人種別の推計も試みる予定であるが、最も基本的な推計結果を先行的に公表する予定である。

備考

webページの(2),(3),(4)は字数制限のため略称を用いた。SAPPはSmall Area Population Projectionsの意。WAは米国ワシントン州の略称である。

  • 研究成果

    (18件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (10件) (うちオープンアクセス 9件、 査読あり 4件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 備考 (4件)

  • [雑誌論文] 台湾版小地域別将来人口推計ウェブマッピングシステムの公開について2021

    • 著者名/発表者名
      井上孝
    • 雑誌名

      青山経済論集

      巻: 72 ページ: 257-274

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「全国小地域別将来人口推計システム」バージョン3.0とその操作方法について2020

    • 著者名/発表者名
      井上孝
    • 雑誌名

      青山経済論集

      巻: 71 ページ: 135-153

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 人口等のミクロデータに関するWebデータベースIPUMSについてー第1回 IPUMSの構成と登録方法ー2020

    • 著者名/発表者名
      井上希・小池司朗・井上孝
    • 雑誌名

      エストレーラ

      巻: 324 ページ: 54-57

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 都道府県別にみた将来の人口増加率の要因分解2020

    • 著者名/発表者名
      鎌田健司・小池司朗・菅桂太・山内昌和
    • 雑誌名

      人口問題研究

      巻: 76 ページ: 240-264

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 東京大都市圏と非東京大都市圏および全国の結婚出生力に対する人口移動の影響2020

    • 著者名/発表者名
      山内昌和・小池司朗・鎌田健司・中川雅貴
    • 雑誌名

      人口問題研究

      巻: 76 ページ: 265-283

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 過去の国勢調査における地域人口統計の利活用可能性2020

    • 著者名/発表者名
      小池司朗
    • 雑誌名

      エストレーラ

      巻: 318 ページ: 2-7

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 市区町村別世帯数の将来推計の試み2020

    • 著者名/発表者名
      小池司朗・小山泰代
    • 雑誌名

      人口問題研究

      巻: 76 ページ: 327-339

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本の労働力人口の将来推計と今後の課題2020

    • 著者名/発表者名
      小池司朗
    • 雑誌名

      運輸と経済

      巻: 80 ページ: 12-19

  • [雑誌論文] 市区町村別にみた将来の人口増加率の要因分解2020

    • 著者名/発表者名
      鎌田健司・小池司朗・菅桂太・山内昌和
    • 雑誌名

      人口問題研究

      巻: 76 ページ: 488-509

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 国勢調査と住民基本台帳から得られる人口移動傾向の差異の検討2020

    • 著者名/発表者名
      小池司朗・貴志匡博
    • 雑誌名

      人口問題研究

      巻: 76 ページ: 533-550

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 台湾版小地域別将来人口推計ウェブマッピングシステムの公開について2020

    • 著者名/発表者名
      井上孝
    • 学会等名
      日本地理学会
  • [学会発表] 地域分析の観点からみた国勢調査の課題と展望2020

    • 著者名/発表者名
      井上孝
    • 学会等名
      日本人口学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 小地域別人口統計を用いた過疎地域研究2020

    • 著者名/発表者名
      井上希
    • 学会等名
      日本人口学会
  • [学会発表] 地域人口分析における国勢調査データの活用例2020

    • 著者名/発表者名
      小池司朗
    • 学会等名
      日本人口学会
  • [備考] 「全国小地域別将来人口推計システム」日本語版

    • URL

      http://arcg.is/1LqC6qN

  • [備考] SAPP for Japan

    • URL

      http://arcg.is/1GkdZTX

  • [備考] SAPP for WA

    • URL

      http://arcg.is/2s5i2Vk

  • [備考] SAPP for Taiwan

    • URL

      http://arcg.is/1rCPmm

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公開日: 2021-12-27  

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