• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

フィールドワークとフィールド実験によるホモルーデンス論の展開

研究課題

研究課題/領域番号 20H01409
配分区分補助金
研究機関帝京科学大学

研究代表者

島田 将喜  帝京科学大学, 生命環境学部, 准教授 (10447922)

研究分担者 高橋 康介  立命館大学, 総合心理学部, 教授 (80606682)
大石 高典  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (30528724)
高田 明  京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (70378826)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード遊び / ホモルーデンス / フィールド実験 / フィールドワーク / 霊長類 / 人類学 / 進化 / 文化
研究実績の概要

本研究はヒトを含むさまざまな動物におけるあらゆる行動や現象の中に遊戯性を見出し、遊戯性の観点から人類や動物の文化・進化・認知を理解しなおそうとする「ホモルーデンス論」の現代的発展の試みである。
本研究の前提となる方法論は、フィールドワーク、そしてフィールド実験である。2020年度は研究開始の年であったが、同時に世界的に大流行したCOVID19の影響を大きく受けた年でもあった。調査に携わる代表者、分担者、研究協力者の安全第一を念頭に慎重に調査計画を立て、準備は進めたものの、フィールドワークが実現できたのは国内のみ少数回にとどまった。
一方でインターネット上での研究交流を進め、理論面で進めることのできる仕事や研究成果公表については一定の成果を上げることができた。代表者の島田は学会発表を通じて科研研究の立ち上げをアピールし、また国内で可能な範囲のフィールドワークを実施した。分担者の高田は本科研の理論的な側面を補強する著作を多く公表した。分担者の大石は国内でのフィールドワークを実施した。分担者の高橋は、フィールド実験と同じ内容の実験を日本国内で実施し、今後国外でのフィールド実験により取得するデータと比較すべき貴重なデータを得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度は一度も海外でのフィールドワーク、フィールド実験を実施することができなかった。本研究は現地に実際に調査者が渡航し、長短期のフィールドワークやフィールド実験を実施することで得られるデータや経験を主な分析対象としているため、これら新規データや経験を得ることができなかったことは研究の遅滞の主な原因である。
一方で、フィールド実験の準備や理論的な分析や限定的ではあるが国内でのフィールドワークを実施できたことは一定の成果につながったと考えることができる。

今後の研究の推進方策

2020年度の計画は遅れを取り戻すために2021年度末まで延長して実施された。その結果として海外でのフィールドワークは実施できなかったものの国内でのフィールドワークに加えて、オンラインでのミーティングを多く実施し、その結果多くの成果を公表することができた。オンラインでのミーティングを多く行えたことは、COVID19状況下での研究のメリットであることも理解されたため、今後もこうしたミーティングは維持しつつ、同時に出国が可能になった場合にはすぐにフィールドワーク、フィールド実験に移行できるように準備する。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] The Contribution of Mutual Grooming to Affiliative Relationships in a Feral Misaki Horse Herd2020

    • 著者名/発表者名
      Shimada Masaki、Suzuki Nae
    • 雑誌名

      Animals

      巻: 10 ページ: 1564~1564

    • DOI

      10.3390/ani10091564

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Comparisons of Activity Budgets, Interactions, and Social Structures in Captive and Wild Chimpanzees (Pan troglodytes)2020

    • 著者名/発表者名
      Inoue Nodoka、Shimada Masaki
    • 雑誌名

      Animals

      巻: 10 ページ: 1063~1063

    • DOI

      10.3390/ani10061063

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ニホンリスとタヌキにおける健全・虫害オニグルミ堅果に対する行動の違い2020

    • 著者名/発表者名
      島田 将喜、岡本 都紅紫
    • 雑誌名

      哺乳類科学

      巻: 60 ページ: 171~179

    • DOI

      10.11238/mammalianscience.60.171

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 教室にフィールドが立ち上がる2020

    • 著者名/発表者名
      飯塚 宜子、園田 浩司、田中 文菜、大石 高典
    • 雑誌名

      文化人類学

      巻: 85 ページ: 325~335

    • DOI

      10.14890/jjcanth.85.2_325

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 顔と身体表現の多文化比較フィールド実験研究2020

    • 著者名/発表者名
      高橋康介・島田将喜・大石高典・錢コン
    • 学会等名
      第6回 顔・身体学 領域会議
  • [学会発表] 密です!野生チンパンジーの社会的遊び2020

    • 著者名/発表者名
      島田将喜
    • 学会等名
      第89回 SIG-SLUD-C001
  • [学会発表] タンザニア・カメルーン・日本でのフィールド実験による顔パレイドリアの多様性の検討2020

    • 著者名/発表者名
      高橋康介・島田将喜・大石高典・錢コン・田暁潔
    • 学会等名
      日本認知科学会第37回大会
  • [学会発表] 顔認識の多様性~多文化比較フィールド実験研究からの示唆と今後2020

    • 著者名/発表者名
      高橋康介・島田将喜・大石高典・錢コン・田暁潔
    • 学会等名
      第7回顔・身体学領域会議
  • [学会発表] コロナ時代の対野生動物フィールドワーク~研究と教育の観点から2020

    • 著者名/発表者名
      島田将喜
    • 学会等名
      第7回顔・身体学領域会議 分科会
  • [学会発表] タンザニアにおける「フィールド実験」の展望2020

    • 著者名/発表者名
      島田将喜・髙橋康介
    • 学会等名
      第58回 日本アフリカ学会
  • [学会発表] 相互行為としての「フィールド実験」2020

    • 著者名/発表者名
      島田将喜・髙橋康介・田暁潔・錢コン・大石高典
    • 学会等名
      第8回顔・身体学領域会議
  • [学会発表] General introduction on the scientific issues of “Waza”2020

    • 著者名/発表者名
      Akira Takada, Xiaojie Tian, Masaki Shimada, Frederic Joulian
    • 学会等名
      Techniques & Culture International Meetings, “Waza on the Move: Ineffable arts of learning”
    • 国際学会
  • [学会発表] Acquisition of skills to make and use tools through play and playfulness among wild chimpanzees2020

    • 著者名/発表者名
      Masaki Shimada
    • 学会等名
      Techniques & Culture International Meetings, “Waza on the Move: Ineffable arts of learning”
    • 国際学会
  • [図書] The ecology of playful childhood: Caregiver-child interactions among the San of southern Africa.2020

    • 著者名/発表者名
      Takada, A
    • 総ページ数
      269
    • 出版者
      Palgrave Macmillan

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi