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2022 年度 実績報告書

対覇権主義的学問ネットワークとしての「世界民俗学」構築へ向けた基盤的調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 20H01412
配分区分補助金
研究機関関西学院大学

研究代表者

島村 恭則  関西学院大学, 社会学部, 教授 (10311135)

研究分担者 周 星  神奈川大学, 国際日本学部, 教授 (00329591)
山 泰幸  関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (30388722)
桑山 敬已  関西学院大学, 社会学部, 教授 (50288057)
岩本 通弥  東京大学, 大学院総合文化研究科, 名誉教授 (60192506)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード世界民俗学 / 現代民俗学 / 韓国民俗学 / アイルランド / イギリス / 王立人類学協会
研究実績の概要

1.当初の計画どおり、2022年5月14日に韓国の研究者とともに国際シンポジウム「日韓民俗学の現在地」をオンラインで開催し、韓国側4名、日本側3名の研究発表とそれにもとづく討論を実施した。そこでは、「世界民俗学」「比較民俗学」という概念枠組みをめぐる日韓における理論的な課題をはじめ、両国民俗学における最前線のトピックについて活発な議論が行なわれた。
2.コロナウィルス感染症の拡大のため、2020・2021年度に実施できなかった海外調査を本年度は実施することができた。調査は、研究代表者の指示のもと、2023年3月1日から18日まで、研究協力者の周丹(関西学院大学大学院社会学研究科博士後期課程、民俗学専攻)をアイルランド・イギリスに派遣して実施した。イギリス民俗学会の現会長、前会長、元会長の3名を含む両国で中心的な役割を果たしている民俗学者12名からの聞き取り調査、アイルランド国立フォークロアアーカイブ等の実地調査を実施した。この調査により、これまで日本では正確な情報を得られていなかったイギリス王室人類学協会とイギリス民俗学会との協業関係の実態、民俗学のアカデミズム化をめぐるイギリスとアイルランドの間の相違など、世界民俗学を把握するうえできわめて貴重な情報を入手することができた。この情報は、2024年刊行予定の『世界のなかの民俗学』(実生社)において公にする予定である。
3.以上に加え、各研究分担者が本科研遂行のための個別研究を次のとおり実施した。岩本は、「日常学としての民俗学」をめぐるドイツ民俗学・中国民俗学・日本民俗学の間の相違について理論的に考察を深めた。桑山は、世界民俗学を世界人類学の動向との関りで再解釈する作業を進めた。周星は、現代民俗学をめぐる日中の理論的課題を整理する作業を深化させた。山は、フランス民俗学の動向について文献調査を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、当初から予定されていた韓国との国際シンポジウムを実施して活発な議論を行うことができた。また、アイルランド・イギリスにおいて当初予定していたとおりの海外調査を実施し、きわめて多くの新知見を持ち帰ることができた。さらに、研究分担者による本課題に関わる個別研究も順調に進捗した。以上のことから、「おおむね順調に進展している」との自己評価を行った。なお、この自己評価の裏付けとなる研究成果は、2024年度に本科研の成果とりまとめ図書として刊行予定の『世界のなかの民俗学』(実生社より刊行内定済み)において公にされることになっている。

今後の研究の推進方策

2022年度分は、上記のとおり「おおむね順調に進展」したので、引き続き、2023年には、バルト三国における海外調査を実施する予定である。また、研究代表者は、2022年度のアイルランド・イギリス調査の成果の分析作業を進め、論文として中間報告を行う予定である。加えて、各研究分担者も、2022年度の成果をもとに、それぞれ世界民俗学の理論的基盤を構築するための個別研究を進める予定である。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件) 図書 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [国際共同研究] 東国大学校/翰林大学校/安東大学校(韓国)

    • 国名
      韓国
    • 外国機関名
      東国大学校/翰林大学校/安東大学校
    • 他の機関数
      2
  • [雑誌論文] 魂の贈与:折口信夫の文化理論2023

    • 著者名/発表者名
      島村恭則
    • 雑誌名

      日語学習と研究

      巻: 224 ページ: 6-13

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「日常学としての民俗学」という問い: 東アジアの「協働」で見えてきたこと2023

    • 著者名/発表者名
      岩本通弥
    • 雑誌名

      日常と文化

      巻: 11 ページ: 1-21

  • [雑誌論文] ヘルマン・バウジンガーと日本民俗学2022

    • 著者名/発表者名
      島村恭則
    • 雑誌名

      遺産

      巻: 6 ページ: 284-303

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 柳田以外:日本民俗学の多様な姿と一貫する視点2022

    • 著者名/発表者名
      島村恭則
    • 雑誌名

      民俗研究

      巻: 163 ページ: 49-57

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 文化遺産とまちづくり-災害と過疎からの地域復興2022

    • 著者名/発表者名
      山泰幸
    • 雑誌名

      実践民俗学研究

      巻: 39 ページ: ー

    • 査読あり
  • [学会発表] 日韓民俗学の「協働」とその軌跡:比較民俗学、世界遺産時代、そして日常学へ2022

    • 著者名/発表者名
      岩本通弥
    • 学会等名
      関西学院大学世界民俗学研究センター国際シンポジウム「日韓民俗学の現在地」
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 日本民俗学の現在地2022

    • 著者名/発表者名
      島村恭則
    • 学会等名
      関西学院大学世界民俗学研究センター国際シンポジウム「日韓民俗学の現在地」
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 世界民俗学とworld anthropology2022

    • 著者名/発表者名
      桑山敬己
    • 学会等名
      関西学院大学世界民俗学研究センター国際シンポジウム「日韓民俗学の現在地」
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] Comparing the Situations of Anthropologists around the World2023

    • 著者名/発表者名
      Takami Kuwayama, Gonzalo D. Crovetto, Thomas H. Eriksen, P-J Ezeh, Shannon Morreira, Chen Gang, Gordon Mathews
    • 総ページ数
      -
    • 出版者
      World Council of Anthropological Associations
  • [学会・シンポジウム開催] 関西学院大学世界民俗学研究センター国際シンポジウム「日韓民俗学の現在地」2022

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公開日: 2023-12-25  

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