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2022 年度 実績報告書

大規模データにおける創作法の法理の変容―競争法・情報法の視点から

研究課題

研究課題/領域番号 20H01442
配分区分補助金
研究機関筑波大学

研究代表者

潮海 久雄  筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (80304567)

研究分担者 成原 慧  九州大学, 法学研究院, 准教授 (40647715)
柴田 潤子  香川大学, 法学部, 教授 (90294743)
齊藤 邦史  慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 准教授 (90803106)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード大規模データ / 創作法 / 競争法 / 個人情報保護 / プライバシー / データ保護 / データ共有 / データライセンス
研究実績の概要

デジタル化された大規模データの収集・蓄積・利用に伴う諸課題の検討のうち、2022年度は、主として、標準必須特許のライセンスの相手方、およびデータ共有の法的課題(潮海)を研究業績として上げることができた。後者は、2022年4月からGPAI(Global Partnership on Artificial intelligence)のThe Innovation and Commercialization (I&C:イノベーションと商業化) Working Group に参加し貢献した成果の一部である。特に、AI開発で利用される大規模データの収集・管理・共有について、営業秘密・限定提供データの不競法、著作権法の保護とその限界を比較法的に考察し、AI・データ契約ガイドラインと、欧州のData Actによるデータ共有と対比して考察した。
これらは、特許法・著作法・不正競争防止法等の創作法に関わるテーマであるが、競争法(ビジネスモデルの分析と競争法の評価)・情報法(データポータビィリティと共同生成データなど)・ライセンス契約法が関連するテーマである。とりわけ、競争法の優越的地位の濫用(欧州の市場支配的地位の濫用)と関連する。また、研究分担者も、メタバースにおける、アバター、肖像権のほか、プライバシーとデータ保護の関係やプライバシー・個人情報保護における自己決定の意義と限界など、大規模データにおける流通・利用と個人情報保護法の衝突する先駆的研究業績をあげている。
これらの研究業績は、以上の重要論点について、比較法上の研究をおこない、わが国との比較を行った成果でもある。具体的には、アメリカ・ドイツ・イギリス特許法、アメリカ・EU競争法、EUのData Actとわが国のAI・データ契約ガイドライン、アメリカにおける情報法(個人情報保護法制)である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナの影響で海外での国際会議やワークショップに参加できず、海外図書館を利用できない状況にも関わらず、比較法の分析をおこなえたこと、知的財産法(創作法)と競争法・情報法が相互に関連する新しいテーマ・領域に研究を発展させることができたため。

今後の研究の推進方策

創作物もデジタル化され、大規模データとして創作・収集・蓄積・利用される状況が、当初の想定以上にすすみ、多くの問題が生じているため、国際会議・ワークショップに参加し、国外での情報収集により比較法研究を進めるとともに、競争法・情報法と知的財産法(創作法)の相互作用する重要なテーマについて研究をすすめることを予定している。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] データ共有の法的課題―IoT,AI開発の事例―2023

    • 著者名/発表者名
      潮海久雄
    • 雑誌名

      特許研究

      巻: 75 ページ: 7―30

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 差別と選別;プライバシーとデータ保護の間2023

    • 著者名/発表者名
      成原慧
    • 雑誌名

      有斐閣Onlineロージャーナル

      巻: 1 ページ: 1-6

  • [雑誌論文] サプライチェーンにおける標準必須特許のライセンスの相手方―最終製品業者か部品業者か―2022

    • 著者名/発表者名
      潮海久雄
    • 雑誌名

      AIPPI

      巻: 67(9) ページ: 2-35

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Google Shoppingケース 一般裁判所判決2022

    • 著者名/発表者名
      柴田潤子
    • 雑誌名

      公正取引

      巻: 859 ページ: 56-61

  • [雑誌論文] メタバースのアーキテクチャと法 : 世界創造のプラットフォームとそのガバナンス2022

    • 著者名/発表者名
      成原慧
    • 雑誌名

      Nextcom

      巻: 52 ページ: 24-32

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] アメリカにおける個人情報保護と監視社会論の展開;シンポジウム ICTと監視社会2022

    • 著者名/発表者名
      成原慧
    • 雑誌名

      比較法研究

      巻: 83 ページ: 5-21

  • [学会発表] 分科会 「マイナンバー制度の法的統制と政策」2022

    • 著者名/発表者名
      斉藤邦史
    • 学会等名
      情報ネットワーク法学会第22回研究大会
  • [学会発表] 分科会 「サイバネティック・アバターの研究開発と社会実装に向けた課題」2022

    • 著者名/発表者名
      斉藤邦史
    • 学会等名
      情報ネットワーク法学会第22回研究大会
  • [学会発表] 分科会 「プライバシー・個人情報保護における自己決定の意義と限界 ―自己情報コ ントロール権説の再検討―」2022

    • 著者名/発表者名
      成原慧
    • 学会等名
      情報ネットワーク法学会第22回研究大会
  • [学会発表] オンラインプラットフォーム上におけるプライバシー情報収集規制の日本・EU・米国・ 中国における規制の最新動向と比較2022

    • 著者名/発表者名
      成原慧
    • 学会等名
      情報ネットワーク法学会第22回研究大会
  • [図書] Liberty2.0 : 自由論のバージョン・アップはありうるのか?2023

    • 著者名/発表者名
      駒村圭吾(編著),成原慧
    • 総ページ数
      362
    • 出版者
      弘文堂
    • ISBN
      9784335359347

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公開日: 2023-12-25  

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