研究課題/領域番号 |
20H01536
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
西村 孝史 東京都立大学, 経営学研究科, 准教授 (40508462)
|
研究分担者 |
島貫 智行 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (40454251)
佐藤 佑樹 流通経済大学, 経済学部, 講師 (20715205)
西岡 由美 立正大学, 経営学部, 教授 (30369467)
|
研究期間 (年度) |
2021-03-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 人的資本 / 戦略的人的資本 / 戦略的人的資源管理 / ダイバーシティ / インクルージョン / 公正性 / ワーク・エンゲイジメント / COVID-19 |
研究実績の概要 |
2021年度は,本研究の目的である企業内の個別の人的資本が組織レベルの人的資本に変換されるメカニズムを明らかにすべく,企業の職場に注目した研究を行い,複数の成果を国内外に発表した。具体的には,(1)COVID-19によるテレワークの進展が働く人のワーク・エンゲイジメントに与える影響,(2)テレワークが人々の比較対象に変化をもたらし,公正感に与える影響,(3)雇用区分の違いが比較対象に差異をもたらし,一体感に与える影響,(4)柔軟性志向のHRMがコロナ禍における組織のレジリエンスに与える影響を検討した。(1)は,西村・西岡(2021)として『産業・組織心理学研究』に査読付き雑誌として掲載され,(2)は,Nishioka and Nishimura (2021)として,国際学会(The 19th ILERA World Congress (online))で発表している。(3)は,林・西村(2022)として紀要論文に発表を行った。(4)は,研究代表者が第三著者として日本労務学会第51回全国大会(オンライン)で発表した。さらに(5)研究分担者らと広く人的資源管理の内容を世間に伝えるために『1からの人的資源管理』(碩学舎)という本を出版した。
その他の共同研究者も学会発表3件(国内2,国外1)の他,本申請課題とかかわりのある職場のダイバーシティを扱った論文およびケースを執筆したほか,組織行動論に注目されている向社会モティベーションの論文を執筆している。
また,個人を対象に企業の人事施策に関する知覚・施策の帰属および企業特殊的能力(人的資本)を尋ねた質問票調査を実施した。このデータを用いた論文執筆および学会発表を次年度以降に行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,1年目であり次年度の調査に向けた情報収集や研究環境の整備に重きをおいており,進捗に大きな遅れはない。ただし,各自が収集した概念およびその操作化に必要な項目に関する体系的な情報共有はまだ出来ておらず,その点は対面およびオンラインでの打ち合わせを組み合わせて行う必要がある。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は定量調査を行う予定であるが,予算の関係上,当初よりも実行可能な調査が限られることから企業調査に予算を集中させる。企業調査は,過去に研究代表者が行った企業調査票をベースに同調査で尋ねることができなかった要素(職場特性に関する設問,特に従業員の多様性に関する設問)を加える。回収後,日経Needs Financial Questと質問票を統合し,組織レベルの指標の検討を行う。また,財務データのタイムラグを考慮するために,調査を2年目に実施し,順次財務データと結合することでパネルデータ構築する。さらに回答企業と非回答企業に違いが生じる可能性も踏まえ,母集団の推計を行ったうえで分析を実施する。
個人調査は,研究分担者が中心となって行うが,その他に研究代表者が行った過去の調査データを再分析することもことも視野に入れている。
|