研究課題/領域番号 |
20H01639
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
安東 由則 武庫川女子大学, 教育学部, 教授 (10241217)
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研究分担者 |
西尾 亜希子 武庫川女子大学, 共通教育部, 教授 (20550627)
中尾 賀要子 武庫川女子大学, 教育研究所, 准教授 (90584988)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | トランスジェンダー / 大学における学生支援 / 性的マイノリティ / 女子大学 |
研究実績の概要 |
当初計画においては初年次にアメリカおよび日本の女子大学を訪問し、聞き取り調査を行う予定としていたが、新型コロナウイルスの蔓延により、国外・国内ともに厳しい移動制限が掛けられたため、調査が実施できない状況となった。よって2020年度においては、調査研究は実施せず、初年度の研究計画のもう一方の柱である文献研究に重点を置いて行うこととした。これは、トランスジェンダーに関する歴史的、理論的な文献の整理と検討であり、本研究の土台づくりとなるものである。具体的には、以下のようなことを実施した。 1)トランスジェンダー(Transgender)を中心とする性的マイノリティに関する国内外の文献(図書、雑誌論文、新聞記事等)を収集し、その整理を行う。図書に関しては、この分野の基本文献(歴史、理論、支援のためのガイドライン)を中心に収集し、新聞や雑誌記事に関しては日本の女子大学や義務教育学校におけるトランスジェンダー受け入れに関するものを中心に整理を行った。 2)大学が作成しているトランスジェンダーや性的マイノリティ学生の受け入れとその支援に関するガイドラインや規定等を収集するとともに、彼/女らの支援機関とその支援内容についてまとめた。 3)上記1)、2)に関する目録(リスト)を作成するとともに、それらの解説を行い、研究成果として冊子にまとめた。 4)収集した諸文献を基に、アメリカと日本におけるトランスジェンダーに関する言説や社会的認識の変化、社会的受け入れの動向について分析し、論文を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初計画では、1)国内外の女子大学における教員や支援部署の職員、学生への聞き取り調査と、2)文献の収集及びその検討、の二つを初年度の柱とした。1)の取り調査では、アメリカの女子大学2校と日本の女子大学2校程度で対面でのインタビュー調査を実施することにしていたが、コロナ禍に陥ったため、海外はもとより、国内での移動や対面調査を実施することができなくなった。よって、当初計画のもう一方の柱であった、2)文献研究等の収集と検討を通して、トランスジェンダー学生の受け入れ・支援に関する基礎的、理論的研究のみを実施することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナの感染状況とそれに伴う行動規制によって左右されることになる。大学での聞き取り調査においては、トランスジェンダー受け入れに関わる人々の直の声を聞くことと、支援施設の見学を含めて計画しているので、ネットを使用したリモートインタビューは現在のところ考えていない。行動できる状況になることを待って、迅速に行動できるよう準備を整えていく。 コロナ禍とそれに伴う行動制限がさらに長引き、訪問調査の実施が困難な状況になるならば、リモートでのインタビュー調査も考慮することになる。あるいは、当初の計画にはなかったが、大学生や大学の性的マイノリティ支援担当者を対象とするアンケート調査の実施の可能性についても考慮して、今後の研究を進めていく。
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