研究課題/領域番号 |
20H01758
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
飯田 順子 筑波大学, 人間系, 准教授 (90383463)
|
研究分担者 |
伊藤 亜矢子 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (50271614)
茅野 理恵 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (60754356)
川崎 知己 千葉商科大学, 商経学部, 准教授 (60806058)
杉本 希映 目白大学, 心理学部, 准教授 (90508045)
遠藤 寛子 埼玉学園大学, 人間学部, 准教授 (30364425)
杉崎 雅子 小田原短期大学, 保育学科, 准教授 (40838950)
岐部 智恵子 お茶の水女子大学, 教学IR・教育開発・学修支援センター, 講師 (80770502)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 子どもの強み / メンタルヘルススクリーニング / 学校全体支援モデル / ポジティブ心理学 / 学校心理学 |
研究実績の概要 |
研究2年目も新型コロナ感染症の影響により,学校での標準化調査を想定通り行うことができなかったが,その後の研究につながるよう,以下の研究を行った。 第1に,子どものストレスチェックを返却するWebアンケートシステムの開発を行った。このシステムは,子どもがWeb上でアンケートに回答することにより,自動的に回答が処理され,アンケート結果(自分の強みやストレスの状況)が子どもにフィードバックされるシステムである。産業労働分野でストレスチェックやメンタルヘルス対策を行っている企業と連携し,開発を進めた。この研究は,研究2年目・3年目に行う予定のものであったが,学校で調査を行いにくい状況があったため,この開発を先行して行った。今後は,このシステムを実際に運用していく予定である。 第2に,学校全体メンタルヘルススクリーニングやそこで用いる尺度について解説するホームページの開発を行った(https://sehs.jp/)。SEHSの解説,SEHS日本語版の開発と国内標準化調査,研究成果,学校での実践例,ポジティブ心理学の学校教育における応用のページを作成し,学校全体メンタルヘルススクリーニングに興味・関心のある学校関係者が,ホームページ上で問い合わせできる形式になっている。今後,研究代表者・研究分担者が行う教員研修の場などでホームページを広く周知し,調査協力校及びポジティブ心理学介入を行う実践校を募っていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来であれば,本研究1年目に小中高校生を対象とした標準化調査とスクールカウンセラーを対象としたストレスチェックやストレスマネジメント等の予防的対応の実態調査を行う予定であったが,新型コロナ感染症の蔓延により,学校における調査依頼・調査実施が困難な状況であった。また,スクールカウンセラーもこうした緊急対応が求められる職種であり,仕事量の増加や勤務状況の変化などが聞かれる中,調査依頼・調査実施が困難であった。そのため,研究1年目に予定していた標準化調査とスクールカウンセラーを対象とした調査が終えられていない状況である。しかしながら,標準化調査やスクールカウンセラー調査を行う準備(尺度開発,倫理審査,HPの作成や予備調査)を終えているため,研究3年目にいずれも終えることができると考えている。また,研究2年目-3年目に位置付けていた「メンタルヘルススクリーニング方法の確立」「MHSの結果のフィードバック方法の検討」を,標準化調査と合わせて進めているため,こちらは先行して進んでいる。また,結果のフィードバック方法の検討についても,生徒に結果を返すシステムの開発が完了しているため,今年度はその運用を試す予定でいる。以上のことから,当初の計画からは「やや遅れている」が,今後計画通りに研究を進めていくことが可能であると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究では,小中高における標準化調査,スクールカウンセラーを対象とした調査を終えられるように,計画的に進めていく予定である。具体的には,標準化調査を全国規模に広げていくため,各地の拠点となる協力者と連携し,研究3年目前半を中心に標準化調査を進めていく。そのための方策として,研究2年目に作成したHPを広く周知し,全国の学校から調査協力校を募る予定でいる。また,スクールカウンセラーを対象とした調査は研究3年目7月・8月の夏休み期間を利用して,各地の拠点となる協力者と連携し,Web調査を実施する予定である。 学校やスクールカウンセラーを対象とした調査はやや遅れているが,その間「メンタルヘルススクリーニング方法の確立」「MHSの結果のフィードバック方法の検討」を先行して進めている。今後は標準化調査と合わせて,これら2つの研究を進めていくことで効率的に研究を進めていく予定である。
|