研究課題/領域番号 |
20H01813
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
長澤 壯之 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (70202223)
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研究分担者 |
仙葉 隆 福岡大学, 理学部, 教授 (30196985)
矢崎 成俊 明治大学, 理工学部, 専任教授 (00323874)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 非局所曲率流 / 解の爆発 / 爆発時刻 / 爆発レート |
研究実績の概要 |
本研究では、平面閉曲線に対する非局項を持つ曲率流の漸近解析を目的としている。代表者により、昨年度までに一般回転数の場合に、解が有限時刻爆発する十分条件。爆発を起こす場合の爆発時刻の上からの評価を与え、爆発レートに関する結果を得た。今年度は、爆発時刻の下からの評価を得ることと爆発レートの改良を試み、初期曲線が凸の場合に結果を得た。初期曲線が凸であると、放物型偏微分方程式の解に対する最大値原理により、解が存在する限り凸性を保持する。凸曲線については、角度関数を曲線の表示パラメータに選ぶことが出来るなど、凸性を仮定しない場合に比べて、解析しやすい点がある。その結果、爆発時刻の下からの評価と爆発レートの評価を特別な場合とする評価式を得た。従来の爆発レートの評価は爆発時刻近傍でのものであるが、これはそのような制限はない。そこでその評価式に初期時刻を代入すれば爆発時刻の下からの評価となる。加えて分担者により、曲率流による画像分割などの研究成果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の目標は、爆発時刻の下からの評価と爆発レートの改良であった。昨年度までとは異なる解析が必要となるため、今年度は解析が(少なくとも見た目上)容易と考えられる凸性の仮定の下で研究した。その結果、爆発レートは爆発時刻近傍にとどまらない評価が得られ、目標であった爆発時刻の下からの評価を与える事が出来た。特に、等周欠損の勾配流になる曲率流については、爆発レートを表す不等式の定数も恐らく最良と思われるところまで改良され、十分な結果と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、初期曲線が凸である場合に爆発解の爆発時刻の下からの評価が得られ、同時に爆発レートの改良も出来た。次年度は、初期曲線の凸性を仮定せずに同様の結論が得られるかを検討する。おそらくこれは可能であるという見込みである。そのため、今年度の結果だけで論文を纏めることや学会等での発表は控えた。来年度は、ぜひとも成果を発表したい。
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