研究課題/領域番号 |
20H02053
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
藤井 雅留太 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (90569344)
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研究分担者 |
秋本 洋平 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20709654)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | メカニカルクローク / トポロジー最適化 / CMA-ES |
研究実績の概要 |
本研究では,大変形においても力学の透明マント効果を実現する“超弾性メカニカルクローク”のトポロジー最適化を行い,その最適化構造から超弾性メカニカルクロークに不可欠な構造因子を明らかにする.超弾性材料のトポロジー最適化における最適化の困難さを抜本的に解決するために,トポロジー最適化の解探索にCMA-ESを用いる.CMA-ESは多変量標準正規乱数に基づいて生成する候補解の分布範囲の形,サイズ,中心を,最適化問題の景観に適応させながら,最適解を探索するアルゴリズムであり,多峰性,変数間依存性,不連続性の強い困難な非線形最適化問題に頑強であり,初期解の選択に対しロバストな最適化法である. 本研究ではまず導入として当初の予定どおり,“線形”の弾性体で構成されるメカニカルクロークのトポロジー最適化を実施し,比較的単純な問題において,評価関数が改善されるかを確認した.線形弾性体の平均コンプライアンス最小化問題に対するトポロジー最適化とCMA-ES開発し,それらを組み合わせ,かつ評価関数と領域設定を変更し,線形弾性体で構成されるメカニカルクロークを設計することを可能とした.評価値が順調に減少することを確認した一方で,CMA-ESを用いる場合,候補解の評価解析に必要な有限要素法のMPIでの並列化が必須となるが,MPIでの並列化を実施すると,並列計算をしないシングルコアで計算した結果と一部で計算結果が異なってしまうことがわかり,現在原因を探索中である.おそらく,初期化を忘れている箇所がコード内にあり,それを見つけられれば解決する予定である.おおよその箇所の目安はついており,大きな問題にはならないと考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究ではまず導入として当初の予定どおり,“線形”の弾性体で構成されるメカニカルクロークのトポロジー最適化を実施し,比較的単純な問題において,評価関数が改善されるかを確認する.線形弾性体の平均コンプライアンス最小化問題に対するトポロジー最適化とCMA-ESはすでに開発済みであり,評価関数と領域設定を変更するだけで,線形弾性体で構成されるメカニカルクロークを設計することが可能である.一方で,CMA-ESを用いる場合,候補解の評価解析に必要な有限要素法のMPIでの並列化が必須となるが,MPIでの並列化を実施すると,一部で計算結果が異なってしまうことがわかり,現在原因を探索中である.おそらく,初期化を忘れている箇所がコード内にあり,それを見つけられれば解決する予定である.おおよその箇所の目安はついており,大きな問題にはならないと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
まず7月までに並列化の問題を解決し,同時に新しい構造表現法による最適化の高速化(計算コスト削減)を実装する.非線形有限要素解析では変位場の更新が必要なため,計算コストが線形の場合と比較して,膨大となる.そこで本研究では,設計変数の定義と解析における離散化を切り離す構造表現手法を提案し,計算精度の確保と大幅な設計変数の削減(計算の高速化)の両立を実現する.この表現方法は埋込境界レベルセット法を拡張する新しい構造表現法であり,従来のレベルセット関数を周期関数の有限級数展開によって表現し,設計変数をその級数展開における周期関数の係数として定義する. 現状では実装の枠組みはすでにできているので,結果をだして論文を執筆することが重要である.
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