研究課題/領域番号 |
20H02071
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
榊原 潤 明治大学, 理工学部, 専任教授 (10292533)
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研究分担者 |
土井 晋平 帝京大学, 医学部, 准教授 (80447789)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 胆管ステント / 十二指腸 / 消化管流動 |
研究実績の概要 |
十二指腸から胆管ステントへの逆流現象を再現するために,その流動を実験的に模擬する「十二指腸・胆管ステント内流動シミュレータ」を構築した.十二指腸を模した内径25mmのシリコーンチューブに蠕動運動を与えてチューブ内の液体を圧送するポンプを設計・製作した.ポンプは主に,半径290mmの円上に3個のローラを備えたドラム,半径334mmの円弧状内壁面を有するガイド,ドラムを回転させるサーボモータからなる.シリコーンチューブをローラとガイドで挟んだ上で,ドラムを回転させることで,チューブ内の液体を輸送した.シリコーンチューブは同径の塩ビ管およびガラス管に接続し,ループ状の管路を構成した.管路には圧力センサ,温度センサおよび電磁流量計を設置した.流量および圧力は時間的に正弦波的に変動し,ヒトのそれを模擬することを可能とした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画したポンプおよびループ状管路を構築し,予め期待していた流量・圧力変動が得られたことは順調な進捗と言える.一方,当初計画していた胆管ステントの設置および詳細な流動場の測定は次年度早々に実施予定である.
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今後の研究の推進方策 |
管路途中に設けた枝管に胆管ステントを取り付け,ステント内流動を測定する.ステントは臨床で用いる実際のステントの他に,可視化計測ができるように透明アクリルで模擬したステント模型を用いる.作動流体である水にトレーサ粒子を混入した上で,レーザ光シートを照射して散乱光をC-MOSカメラで撮影する.得られた画像からPIVあるいはPTV法により流体の速度を測定し,脈動に伴うステント内部への逆流を捉える.さらに,十二指腸側にグリセリン水溶液および寒天状の固形物を流し,胆管ステント内部への固形物の侵入を再現する.逆流は,十二指腸内主流方向に対するステントの角度に依存すると考えられる.また,ステント上流側の流路の弾性によるステント内部体積の変化にも影響されるはずである.これらを踏まえて,ステントの設置角度やステント上流部流路の弾性率をパラメータとして実験を行う.
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