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2023 年度 実績報告書

人間の行動・意思決定を含むシステムに対する弱い制御と農業生産管理への応用と実検証

研究課題

研究課題/領域番号 20H02173
配分区分補助金
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

井上 正樹  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (80725680)

研究分担者 中村 文一  東京理科大学, 創域理工学部電気電子情報工学科, 教授 (70362837)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード人と機械の協調制御 / 自然言語処理 / ヒューマンインザループシステム / レコメンド制御 / ビジュアルナッジ
研究実績の概要

本研究課題では,人間の行動・意思決定を含むシステムに対する統一的な制御理論の開拓と展開から体系化までを目的とする.2023年度の具体的な成果は以下の通りである。
まずビジュアルナッジ(自動車ドライバーを想定した光刺激による行動誘導)によるドライバー支援を目指して、ドライバーの行動モデリングとデータ駆動でのパラメータ推定法、そして、VR環境下での実験までおこない成果をえた。この成果について国内会議発表を2件おこなうとともに、解説記事1編を発表した。
農業環境のヒューマンインザループ制御のために構築したレコメンド制御理論を、航空交通管理システムやギグワークシステムの設計へ応用展開をおこなった。航空交通管理システムでは管制官への支援システムを想定して、人が理解して実行しやすい制御案を提示するレコメンドシステムを開発した。またギグワークシステム設計ではフリーランサの集団の意思決定のモデリングや彼らへのインセンティブや作業量を提示して管理するシステムを開発した。これらの成果について国際会議発表を2件おこなうとともに、国際雑誌論文1編を発表した。
また、さらなるヒューマンインザループ制御に関する取り組みとして、制御システムのユーザの意図や選好を言葉から推定する技術を開発して、制御システムの更新に取り入れることもおこなった。言語処理のための基盤モデルと研究代表者らの開発した最適化アルゴリズムを組み合わせることで、従来よりもより精密に人の意図や選好を推定する方法であり、今後様々な応用展開が期待できる。この成果について国内学会発表を3件おこなうとともに、フルペーパー査読付きの国際会議へ1件論文が採択決定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

2023年度は人へのアクチュエーションの検討やそのための制御理論開発を当初の計画としていた。
計画通りに、自動車ドライバーへの視覚刺激のもとでのモデリングや制御の理論開発をおこない成果を得た。また計画時にはなかった展開として、ギグワークシステムを想定して、インセンティブや仕事量の提示でフリーランサ集団の行動変容のモデリングと管理の理論まで研究をおこなうことができた。さらに、人の誘導のための理論だけでなく、逆に人の理解のための理論でも成果を得た。特に自然言語処理を活用して人の言葉から制御システムをパーソナライズする理論を開発しており、当初の計画以上に研究が進んでいるといえる。

今後の研究の推進方策

最終年度にあたる2024年度には、ヒューマンインザループシステムに対するレコメンド制御理論をまとめる。また、これまでに得られた応用研究である農業環境管理支援、航空交通管理支援、自動車ドライバー支援などでそれぞれで成果をまとめるとともに、作成したコードや取得したデータの公開化を進める。また、2023年度に新しく得られた自然言語処理と制御理論の融合の取り組みも進めて、理論の深化から実応用まで広く可能性を広げることまでおこなう。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件)

  • [国際共同研究] Universidad de Sevilla(スペイン)

    • 国名
      スペイン
    • 外国機関名
      Universidad de Sevilla
  • [雑誌論文] Semi-Continuous Descent Operation: A Fuel-Efficient Interval Management Algorithm2024

    • 著者名/発表者名
      Wada Shinji、Ishii Minami、Inoue Masaki、Toratani Daichi
    • 雑誌名

      Journal of Aircraft

      巻: 61 ページ: 595~605

    • DOI

      10.2514/1.C036696

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Visual Nudge2024

    • 著者名/発表者名
      Inoue Masaki、Takeda Masahiko、Obata Ryoga
    • 雑誌名

      Journal of the Robotics Society of Japan

      巻: 42 ページ: 117~122

    • DOI

      10.7210/jrsj.42.117

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dissipativity-constrained learning of MPC with guaranteeing closed-loop stability2023

    • 著者名/発表者名
      Hara Keita、Inoue Masaki、Sebe Noboru
    • 雑誌名

      Automatica

      巻: 157 ページ: 111271~111271

    • DOI

      10.1016/j.automatica.2023.111271

    • 査読あり
  • [学会発表] Tolling for traffic flow networks: Positive systems modeling and control2024

    • 著者名/発表者名
      T. Udagawa, M. Inoue
    • 学会等名
      IFAC World Congress 2023
    • 国際学会
  • [学会発表] 運転ドライバーの光誘導のためのパーソナライズド制御2024

    • 著者名/発表者名
      武田匡彦,井上正樹
    • 学会等名
      第11回制御部門マルチシンポジウム
  • [学会発表] Gig work systems design for dynamic work management with freelancers2023

    • 著者名/発表者名
      R.Asanaka, M. Inoue
    • 学会等名
      2023 IEEE International Conference on Systems, Man, and Cybernetics
    • 国際学会
  • [学会発表] Fuel-efficient interval management for air traffic descending operation2023

    • 著者名/発表者名
      M. Ishii, M. Inoue, D. Toratani
    • 学会等名
      2023 IEEE International Conference on Systems, Man, and Cybernetics
    • 国際学会
  • [学会発表] Chat2Spec:チャットからCyber Physical Human Systemsの仕様設計へ2023

    • 著者名/発表者名
      井上正樹,宮岡佑弥
    • 学会等名
      第14回横幹連合コンファレンス
  • [学会発表] “現場の声” を反映できるインタラクティブな到着管理システムの開発2023

    • 著者名/発表者名
      宮岡佑弥,井上正樹,石井南,虎谷大地
    • 学会等名
      第61回飛行機シンポジウム
  • [学会発表] ビジュアルナッジによる手動運転車の衝突回避制御2023

    • 著者名/発表者名
      小幡遼冴,井上正樹
    • 学会等名
      第66回自動制御連合講演会
  • [学会発表] 制御システムのパーソナライゼーション:ユーザからのフィードバックに基づく逆最適化アルゴリズム2023

    • 著者名/発表者名
      仁井智隆,井上正樹
    • 学会等名
      第66回自動制御連合講演会
  • [学会発表] ChatMPC: ユーザーからの自然言語形式のプロンプトに基づいた制御器のパーソナライズ2023

    • 著者名/発表者名
      宮岡佑弥,井上正樹,仁井智隆
    • 学会等名
      第66回自動制御連合講演会

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公開日: 2024-12-25  

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