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2020 年度 実績報告書

気候変動への段階的適応のための河道地形・植生の中長期動態予測

研究課題

研究課題/領域番号 20H02257
配分区分補助金
研究機関名古屋大学

研究代表者

戸田 祐嗣  名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60301173)

研究分担者 椿 涼太  名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (80432566)
尾花 まき子  名古屋大学, 工学研究科, 講師 (10447831)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード河道内植生動態 / 河川地形変化 / 気候変動 / 中長期予測
研究実績の概要

河川工学分野における気候変動への段階的な適用策を構築するため,本研究では気候変動影響を考慮したうえで河道地形と植生繁茂動態を数十年(10~30年程度)の時間スケールで予測できる技術を開発することを研究目的とする。この目的を達するため,(1)過去から現在に至る河道地形・植生動態の中長期実態分析,(2)既に気候変動の影響が現れつつある近年の大規模出水後の地形・植生動態変化の実態把握,(3)数十年スケールでの河道地形・植生動態予測モデルの開発,および(4)開発されたモデルを用いて将来気候条件へ遷移していく中での段階的な河道地形・植生繁茂を予測する。
研究開始初年度となる2020年度は,過去から現在に至る河道地形および植生動態の中長期実態分析として,植生繁茂とそれに伴う河道地形の変化が生じている鈴鹿川において,1960年代から2010年代までの水位・流量データ,航空写真,河川横断測量,レーザープロファイラデータを収集し,河道地形,草本,木本別の植生繁茂状況変化等を分析し,洪水履歴に応じた過去50年間程度の河道地形,植生繁茂状況の変化を明らかにした。
また,鈴鹿川の実態分析に基づいて,河道地形,植生動態を予測する平面2次元浅水流・河床変動解析に植生動態モデルを統合した数値シミュレーションモデルの開発に着手した。特に2020年度は,植生の地上部と地下部のバイオマス交換を定式化してモデルに組み込むことにより,伐採,除根など植生管理手法の違いによる再萌芽・再繁茂特性の違いを再現した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

航空測量データ分析や数値解析モデル開発について,当初の予定に沿って成果が上がりつつあり,おおむね純情に進展している。2020年度は調査対象河川での大規模な出水がなかったため,洪水期間中のデータについては有効なデータが得られなかったが,継続して観測を実施するための機材配置等は対応済みである。

今後の研究の推進方策

2021年度も,引き続きサブテーマ1~3を中心に,過去から現在に至る植生動態の中長期把握,近年の洪水による植生動態調査,数値モデル開発を実施していく。2022年度以降については,将来気候での洪水流量変化を考慮した数値解析を実施して,気候変動の影響を抽出していく。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 河床の大礫に付着したコケの剥離に関する実験的研究2020

    • 著者名/発表者名
      椿涼太,飯嶋洋樹,戸田祐嗣,田代喬
    • 雑誌名

      河川技術論文集

      巻: 26 ページ: 325-330

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 洪水氾濫流が都市ガス供給システムに及ぼす影響の試算手法を用いた被害想定の考察2020

    • 著者名/発表者名
      田代喬,八木健太郎,菅沼淳,戸田祐嗣
    • 雑誌名

      河川技術論文集

      巻: 26 ページ: 49-54

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 河道管理における現場の課題と研究・技術開発の連携に向けて~河道管理研究小委員会における議論と論点~2020

    • 著者名/発表者名
      河道管理研究小委員会
    • 雑誌名

      河川技術論文集

      巻: 26 ページ: 509-514

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 砂礫州における浸透流を考慮した細粒分捕捉に関する水理実験2020

    • 著者名/発表者名
      中村俊之,尾花まき子,戸田祐嗣
    • 雑誌名

      土木学会論文集B1(水工学)

      巻: 76(2) ページ: I_1255-1260

    • 査読あり
  • [学会発表] 洪水による侵入初期段階の植生破壊および河川地形への影響に関する研究2020

    • 著者名/発表者名
      Zhou YueXia
    • 学会等名
      土木学会全国大会

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公開日: 2021-12-27  

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