研究課題/領域番号 |
20H02553
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
田原 一邦 明治大学, 理工学部, 専任教授 (40432463)
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研究分担者 |
金子 弘昌 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (00625171)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自己組織化 / 固液界面 / 物理吸着 / 化学吸着 / 炭素材料 |
研究実績の概要 |
炭素材料表面をナノレベルで自在修飾する方法の開発は、それら材料の電子状態や物理的性質の精密制御に重要である。分子による表面修飾法には、物理吸着法と化学吸着(共有結合形成)法がある。本課題では、設計した有機分子によりこの二つの修飾法を深化させ、融合させた独自のナノレベル修飾法を確立する。具体的には、溶媒とグラファイトやグラフェンとの界面において、物理吸着による数十nmの周期を持つ階層的な自己集合単分子膜の作成指針の確立と、自己集合単分子膜が示すキラリティーの高度制御とその利用を第一の目的とする。第二に、物理吸着による自己集合単分子膜を鋳型としたグラファイトやグラフェンへの化学吸着をナノレベルで制御する独自の修飾法を発展させる。最終的には新規修飾グラフェンによる電子デバイスへの応用を目指す。 1. 二次元分子集合体の高度構造制御と機能開拓 三角形のπ共役コアを持ち、キラルな長鎖アルキル基とヒドロキシ基の直交する官能基を持つ分子が、動的な立体配座選択により、階層的かつホモキラルな二次元分子集合体を形成することを明らかにした。 その他にも、階層的な自己集合単分子膜形成を狙い、二等辺三角形コアを持つ分子や、七角形状を持つ分子を新たに合成してそれらの二次元分子集合体を調べた。 2.炭素表面の共有結合形成を伴う周期的な化学修飾 新たな鋳型として、菱形のパイ共役コアに六つのアルキル基が置換した分子が作るカゴメ型の二次元分子集合体や、平行四辺形状の空孔を含む多孔性の二次元分子集合体を用いて、グラファイト表面を化学修飾した。その結果、空孔のサイズや、分子集合体の周期性が反映した、多様な周期修飾表面を作ることができた。 その他に、アルカン誘導体が作るラメラ型分子集合体を鋳型にして化学修飾により作られた直線修飾されたグラファイト表面に対して、他の分子の自己集合へ与える影響を調べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では二つの大きな目的のため、研究を進めている。 1. 二次元分子集合体の高度構造制御と機能開拓 分子構造と溶媒極性の変調によって動的に分子の立体配座を制御して、階層的な分子集合体を構築するとともに、そのキラリティーを完全に制御した。このことから、順調に進展してると言える。 2.炭素表面の共有結合形成を伴う周期的な化学修飾 新たな鋳型分子を用いてグラファイト表面を周期修飾することで、従来は直線的または6回対称性のみに限られていた修飾パターンに4回対称性を加えることができた。多様な物理吸着単分子膜を使うことで、さまざまな周期性での化学修飾が可能なことを示し、本手法の一般性を高めた。以上のことから、こちらについても順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後も当初計画に従いながら、これまで得た知見を今後の計画策定にも活用して進めていく。特に、目的2については、付加させる化学修飾基を変更して、さまざまな官能基をもつ修飾基を表面に導入し、さらなる研究展開を図る。国内外の研究分担者、協力者とも十分に打ち合わせを続けて、効率的に研究を展開する。
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