研究実績の概要 |
研究計画に沿った研究実験を実施し、その実績について、”Generation of hydroxyl radical-activatable ratiometric near-infrared bimodal probes for early monitoring of tumor response to therapy.”L. Wu, Y. Ishigaki, W. Zeng, T. Harimoto, B. Yin, Y. Chen, S. Liao, Y. Liu, Y. Sun, X. Zhang, Y. Liu, Y. Liang, P. Sun, T. Suzuki, G. Song, Q. Fan, D. Ye, Nat. Commun. 2021, 12, 6145. [DOI: 10.1038/s41467-021-26380-y (open access)]の論文にて発表した。
上記論文では、生体内のヒドロキシラジカルを選択的に検知してイメージングを行う方法を開拓したものであり、ヘキサアリールブタジエン骨格に、適切なアルキル基の置換したアミノ基を導入した化合物が有効であった。またNIR蛍光によるイメージングに、NIR吸収に由来する光音響分光スペクトルを併用することで、定量性の高い手法として確立できた点は特筆に値する。
一方、物質開発については、ヘキサアリールブタジエンの基本骨格を持ちながらも、酸化還元に際して分子内に反芳香族性骨格であるチエピン、オキセピン骨格が生じることで、よりNIRの長波長部分に吸収をもつ化合物群についての検討を中心に進める計画であった。当該物質の合成には成功しており、今後そのスペクトル特性とイメージング法への応用へ進む段階である。
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