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2020 年度 実績報告書

クロスリンク反応を利用したポリケタイド合成酵素の構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 20H02911
配分区分補助金
研究機関東京工業大学

研究代表者

宮永 顕正  東京工業大学, 理学院, 助教 (10623126)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード微生物酵素 / 結晶構造解析 / タンパク質間相互作用 / クロスリンク / ポリケタイド / ポリケタイド合成酵素
研究実績の概要

モジュラー型ポリケタイド合成酵素 (PKS) の反応において、ケト合成酵素 (KS) ドメインは上流モジュールのキャリアータンパク質 (CP) から伸長過程のポリケタイド鎖を受け取り、同一モジュール内のCPに結合したマロニル型アシル基質との縮合反応を触媒する。このように、KSドメインは反応過程で2種類のCPを認識すると考えられ、それぞれのCP認識機構に興味がもたれる。
今年度は上流モジュールのCPとKSとの相互作用解析を行った。まず、ビセニスタチン生合成に関わる様々なCPドメインを用いてVinP2PKSのKSドメインに対するアシル基の受け渡し活性を評価した。その結果、本来の組み合わせであるVinP1PKSのCPドメインからは効率よくアシル基が受け渡されたのに対し、他のCPドメインからはアシル基がほとんど受け渡されなかったことから、上流モジュールのCPとKSの間に特異的な相互作用が存在することがわかった。次に、上流モジュールのCPとKSの複合体構造解析を目指し、クロスリンク反応を利用し、構造解析に適した安定な複合体を生成させることを検討した。以前に設計したパンテテインアミドプローブを用いて上流モジュールのCPドメインを修飾したのちにKSドメインを混合したところ、これらのクロスリンク複合体が特異的に得られることがわかった。現在、得られた複合体を精製し、結晶化の検討を行っている。また、得られたクロスリンク複合体のクライオ電子顕微鏡データも収集しており、現在、データ解析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

CPドメインとKSドメインの複合体の構造解析を行うことを目的として、まず、結晶構造解析に適した安定な複合体を得るため、クロスリンク反応を検討した。その結果、CPドメインとKSドメインとの間で効率よくクロスリンク反応が進行する条件を見出し、これらの複合体を精製することができた。現在、精製した複合体の結晶化検討を行っている段階であり、ほぼ当初の計画通りであることから、順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

引き続きKSドメインとCPドメインのクロスリンク複合体の結晶化を検討し、結晶が得られれば構造解析を行い、CP認識機構を明らかにする。また、その他の触媒ドメインとCPの複合体についてもクロスリンク反応を検討し、クロスリンク複合体が得られれば、結晶化を検討する。得られた成果について、学会発表や論文発表を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Structural Characterization of Complex of Adenylation Domain and Carrier Protein by Using Pantetheine Cross-Linking Probe2020

    • 著者名/発表者名
      Miyanaga Akimasa、Kurihara Shohei、Chisuga Taichi、Kudo Fumitaka、Eguchi Tadashi
    • 雑誌名

      ACS Chemical Biology

      巻: 15 ページ: 1808~1812

    • DOI

      10.1021/acschembio.0c00403

    • 査読あり
  • [学会発表] マクロラクタム抗生物質ヒタチマイシン生合成におけるアデニル化酵素とキャリアタンパク質間相互認識機構2021

    • 著者名/発表者名
      千菅太一、宮永顕正、栗原将平、安達成彦、川崎政人、守屋俊夫、千田俊哉、工藤史貴、江口正
    • 学会等名
      2020年度量子ビームサイエンスフェスタ

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公開日: 2021-12-27  

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