研究課題
バラ科はS-RNase型自家不和合性を示し、サクラ連(アーモンド、ウメ)では申請者らが発見した単一の花粉側因子SFB(文献10)が自己S-RNaseを認識する(単因子自己認識型)。興味深いことに申請者らは、ナシ連(ナシ、リンゴ)では複数の花粉側因子SFBBが非自己のS-RNaseを認識する「多因子非自己認識型」を示すことを見出した。だが、これら2タイプは分子レベルでどのように異なり、どのように分岐したかは不明である。本研究は、申請者らが最近確立したSFBBとS-RNaseタンパク質の相互作用解析系を用い、ナシ連の「多因子非自己認識」機構とサクラ連「単因子自己認識」機構の異同とこれらがどのように分岐したかを実験的に解明すること、そして未だなされていないSFBBの直接的機能証明を行うことを目的としている。本年度は、これまでに改良したSFBB組換えタンパク質発現系を用い、プルダウン法によるS-RNaseとの相互作用解析系の確立を試みた。様々なタグやアフィニティービーズを用いてプルダウンを試みたところ、SFBBを効率的にビーズにトラップすることに初めて成功した。
2: おおむね順調に進展している
SFBB組換えタンパク質プルダウン系の確立を目指してベクターやタグ、アフィニティービーズの検討を行ったところ、以前はタンパク質の発現もビーズでのトラップも不可能だったSFBBタンパク質の効率的なトラップに成功したため。
SFBBタンパク質の発現とビーズへのトラップが可能となったので、この実験系を用いてS-RNaseとのタンパク質間相互作用解析系の確立を試みる。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)
Hort. Res.
巻: 18 ページ: 185
10.1038/s41438-021-00623-x