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2020 年度 実績報告書

大規模森林操作試験による生物多様性と生態系機能の原因と帰結の探求

研究課題

研究課題/領域番号 20H03320
配分区分補助金
研究機関横浜国立大学

研究代表者

森 章  横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (90505455)

研究分担者 高木 健太郎  北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (20322844)
佐々木 雄大  横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (60550077)
小林 真  北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (60719798)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード生物多様性 / 生態系機能 / 生態系サービス / 森林 / 多種共存
研究実績の概要

森林を対象とした基礎及び応用科学のニーズは高い。日本学術会議でも、持続可能な森林管理に向けた早急な対策と科学の在り方が強調されている。同様なニーズは、国連の枠組下での森林原則声明をはじめ、繰り返し強調され続けている。2019年に、気候変動に関する政府間パネルが公表した「気候変動と土地関係特別報告書」の政策立案者向け要約版でも、より良い土地利用の在り方としての持続可能な森林管理が、気候変動対策に必須としている。森林に求める公益性は、木材生産だけではない。樹種多様化による森林の炭素隔離と貯蔵能力の向上は、気候変動の著しい今、社会にとって必須の生態系サービスである。多種多様な生物種からなる森林を維持し、持続可能に管理することの必要性が問われる今、炭素吸収源としての森林の役割を再精査する必要がある。

なお、生物多様性が生態系の機能性を高め、生態系サービスを維持するという事象に関する理論的知見は、草地試験地における多様性操作を中心に理解を深めてきた。一方で、数多の公益的機能とサービスを提供する森林生態系についての知見はまだまだ限定的である。多種多様な生物種からなる森林を維持し、持続可能な形で管理することの必要性が問われる今、さらなる知見の集積が求められている。

本研究プロジェクトでは、野外で樹木多様性を操作する植栽試験を大規模に実施している。とくに、多種共存メカニズムに着目し、自然のプロセスにより多様性が維持されている状況を再現したことに新規性がある。今後は、その結果としての一次生産等の生態系能性への帰結を評価することを計画している。得られるデータにより、「生物多様性が生態系機能を支えるメカニズム」の基本的な理解を得て、自然科学の理論に根差した森林管理の在り方を模索する。そして、この目的の達成のために、植栽実験地の維持管理、データ取得、また実験地の広く研究者や学生への公開利用を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

植栽樹木について、想定外のウサギによる大量食害や下記の旱魃によって、相当数の植栽気が枯死した。しかしながら、適宜捕植をして、実験地を維持している。今後は、樹木成長量や土壌環境条件等の定量化を継続する。

今後の研究の推進方策

本研究では、操作的に種間と種内競争の相対バランスを変化させる実験区を設ける。これにより多種共存メカニズムを操作する。ここでの仮説は、『多種共存が成り立つ条件下こそ、
多様性―機能性の正の関係性が生じる』である。これにより多種共存系から生じる生態系機能(バイオマス生産)を定量的に評価する。これまでの2年度で、北海道大学天塩研究林おいて植栽による実験準備を進めてきた。今後は、継続して樹木成長量や土壌環境条件の測定を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 その他

すべて 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [図書] The Ecological and Societal Consequences of Biodiversity Loss2022

    • 著者名/発表者名
      Mori AS, Sasaki T, Kagami M, Miki T, Yasuhara M
    • 総ページ数
      24
    • 出版者
      ISTE
  • [備考]

    • URL

      http://akkym.net/

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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