動物の知性が様々な形で現れる探索行動を支える神経基盤を探ることを目的として、仮想現実環境下で探索行動を行うラットの多領域多細胞の神経活動を記録し、その背後にあるダイナミクスを抽出し、神経活動ダイナミクスと動物行動やその背景にある計算論的パラメーターとの関係性を明らかにしようとしている。今年度は設備の導入及び、安静化・麻酔下の動物を用いての技術開発を行った。ニューロピクセル電極により安静化・麻酔下のラットを用い、大脳皮質をはじめとする複数の脳領域から同時記録を行い、さらにそれらのユニットの単離を行う系を確立した。また、スパイク列の時系列を、リカレントネットワークを用いたオートエンコーダーによりモデル化する手法を立ち上げて、既に記録されている時系列に適用して行動との関連性において既存手法を上回る成績を出すことを明らかにした。また、仮想現実環境の構築にも着手しており、購入可能な部材を駆使して、フローティングボールのセットアップ及び、その上でのラット、電極、報酬装置の固定などを、本年度に導入した3Dプリンターなども利用しながら進めている。さらにフローティングボールの動きを背景の動きに変換するプログラムのセットアップをすでに始めている。さらに、今後ニューロピクセル電極により得られるデータが膨大となることが考えられることから、LTO7に対応した磁気テープの導入、RAID6によるHDD並列化などにより、データストレージ環境を充実させた。
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