研究課題/領域番号 |
20H03357
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
田中 康裕 玉川大学, 脳科学研究所, 准教授 (20533128)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 探索行動 / 多領域多細胞 / ダイナミクス / 細胞外記録 / 仮想現実 |
研究実績の概要 |
動物の知性が様々な形で現れる探索行動を支える神経基盤を探ることを目的として、仮想現実環境下で探索行動を行うラットの多領域多細胞の神経活動を記録し、その背後にあるダイナミクスを抽出し、神経活動ダイナミクスと動物行動やその背景にある計算論的パラメーターとの関係性を明らかにしようとしている。研究実施計画に従い、本年度は、麻酔下・安静下での大脳皮質・視床・線条体など複数の脳領域での多細胞活動を記録して、これを解析した。細胞外記録はニューロピクセル電極とSpike GLXによって計測し、KilosortとPhyでユニットとして分離した。大脳皮質・視床・線条体のユニット記録に対して、昨年度までに開発したRNNモデルを当てはめている。また相互相関関数によって、大脳皮質ユニットと線条体ユニットの相互関係を解析した。仮想現実環境の構築も進めている。ラットを実際に仮想環境下で歩かせるためのハーネスの検討を行った。仮想環境のハードウェアはほぼ完成してきたので、探索行動を行わせるソフトウェアの開発に進んでいる。また、年度途中から行動中の動物での大脳皮質・線条体記録も開始した。さらに、実験に用いているLong-Evansラットについて、一般的に使われているWistarラットの脳アトラスから脳梁の形態に関して若干の乖離を見出したため、これについて複数の動物を用いてアトラスを作成して、形態の測定を行った。この結果として、ラット前脳アトラスを研究所紀要に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ニューロピクセル電極による行動下での多領域活動記録を開始したため。また、安静下での記録に関する解析を進めたため。
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今後の研究の推進方策 |
仮想現実環境を利用し、実際に探索行動を行うラットの神経活動のダイナミクスの解析に着手する。
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