研究課題
関節リウマチ(RA)は代表的な慢性炎症性の運動器疾患であり、加齢と共に心身の脆弱性が増した状態「フレイル」に陥るリスクが高い。一般高齢者では「地域とのつながり・社会参加」にフレイル・介護予防効果があることが実証されており、現在、様々な住民主体の地域活動が展開されている。本研究の目的は、RA患者においても「地域とのつながり・社会参加」がフレイルと関連するのかを検証し、その結果をふまえ、主治医を介した地域におけるフレイル・介護予防プログラムを開発し、効果検証を行うことである。RA患者と地域のニーズに合った実効性の高いプログラムとするために、名古屋市内のリウマチ専門医、患者グループ、自治体・地域自治組織等と十分に協議・協力して調査・研究を進める。その合意形成過程も重要な研究成果であり、RA以外の疾患や他地域への応用を目指す。今年度は、2つの大規模疫学研究データを用いてRA患者と一般集団とのフレイル関連要因の違いを検証した。NILS-LSAのデータベースを用い、RAの既往歴のある参加者を特定し、性・年齢をマッチさせた対照群を設定し、運動機能・身体活動量、身体組成、認知機能など、フレイルの構成要素となる主要項目の経年変化を比較した。また、令和元年11月~2年1月に実施されたJAGES 2019年度「健康とくらしの調査」のデータを用い、「RAと診断され現在も治療中」と回答した者との疫学特性を記述した。次年度には、RAを対象としたフレイル予防のための介入プログラムを開発し、RA患者が主治医を通して地域の介護予防活動に参加することにより、「地域とのつながり」が増強されるか、増強されるか、さらにはフレイル予防効果が見られるかの検証を行う。
2: おおむね順調に進展している
今年度は、2つの大規模疫学研究データを用いて関節リウマチ患者と一般集団とのフレイル関連要因の違いを検証した。NILS-LSAのデータベースを用い、関節リウマチの既往歴のある参加者を特定し、性・年齢をマッチさせた対照群を設定し、運動機能・身体活動量、身体組成、認知機能など、フレイルの構成要素となる主要項目の経年変化を比較した。また、令和元年11月~2年1月に実施されたJAGES 2019年度「健康とくらしの調査」のデータを用い、「関節リウマチと診断され現在も治療中」と回答した者との疫学特性を記述した。
引き続き、既存の大規模長期縦断疫学研究NILS-LSAのデータと、2019年度に実施されたJAGES健康とくらしの調査のデータ分析を行い、RA患者と一般高齢者の加齢変化の比較、およびRA患者の社会関連要因とフレイルとの関連についての検討を行い、論文化を進めると共に、介入研究の準備を進める。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 1件)
Modern Rheumatology
巻: - ページ: 1~6
10.1080/14397595.2021.1892258
巻: - ページ: 1~14
10.1080/14397595.2021.1886653
巻: - ページ: 1~8
10.1080/14397595.2020.1838402
巻: 31 ページ: 61~69
10.1080/14397595.2020.1719607