研究課題/領域番号 |
20H03954
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
小嶋 雅代 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, 部長 (30326136)
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研究分担者 |
小嶋 俊久 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (70378032)
寺部 健哉 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (10816870)
竹内 研時 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (10712680)
近藤 克則 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, 部長 (20298558)
斎藤 民 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, 部長 (80323608)
大塚 礼 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, 部長 (00532243)
松井 康素 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, ロコモフレイルセンター, センター長 (50501623)
安岡 実佳子 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, 研究員 (80874354)
渡邉 良太 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, 特任研究員 (50910410)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 関節リウマチ / フレイル / 基本チェックリスト / 予後予測 |
研究実績の概要 |
1.既存の大規模長期縦断疫学研究NILS-LSAのデータからRA患者42人を特定し、性と年齢をマッチさせた対照群84人を選び、身体機能と認知機能の経変変化を比較した。その結果、高齢者では両群とも骨格筋量、握力、歩行速度のいずれも加齢と共に低下し、握力では有意な交互作用が見られ、非RA群の方が低下速度が大きかった。非高齢者では握力のみ加齢と共に低下し、RAの有無では差がなかった。認知機能については両群は同じように変化し、有意差はなかった。 2.2019年度に実施されたJAGES健康とくらしの調査のデータから、要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者のうち、関節リウマチの診断の有無について回答した23,494人を解析対象として分析した。基本チェックリスト(KCL)8点以上の場合をフレイルと定義した。全体の2.4%(571人)がRAで治療中と回答した。RAの診断を受けたことのある者はフレイル該当者が多く、主治医を中心とした包括的な介護予防対策が有効である可能性が示唆された。また、治療を中断した者に対する社会的なサポートの必要性が確認された。 3.大学病院に通院中の40~79歳のRA患者を対象に1年半後の追跡調査を行った。全体で293人のうち、ベースラインでフレイル(KCL8点以上)に該当した者は23.2%(68人)を占めた。フレイルは、性、年齢、学歴、配偶者の有無を調整しても、1年後のリウマチ症状の増悪と有意な関連を示した(OR=2.28、95%CI=1.04―4.98)。KCLで評価したフレイルは、RA患者の予後予測指標として有用である可能性が示された。「筋力トレーニングをしている」と回答した者は、全体では12.3%(36人)あった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
NILS-LSAのデータの分析は、ほぼ予定通りに終え、論文化の段階である。 JAGES健康とくらしの調査2019のデータ分析についても、分析をほぼ終えている。 COVID-19対応のため、名古屋大学で新たに行う調査の開始が少し遅れた。しかしながら、現在は軌道に乗り、順調にデータの収集が行われている。
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今後の研究の推進方策 |
疫学者1名を新たな研究分担者に迎え、これまでに収集されたデータの分析および論文化を進めていく。 名古屋市内の医療機関で診療に従事するリウマチ専門医に、65歳以上のRA患者の通院状況調査及び介入研究参加者のリクルートを依頼する。 JAGES研究名古屋プロジェクト参加研究者の協力の下、名古屋市内で行われている通いの場の活動状況を調査し、RA患者が参加可能な通いの場のリストを作成する
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