研究課題/領域番号 |
20H03959
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
中島 由加里 金沢大学, 保健学系, 助教 (40846680)
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研究分担者 |
山本 靖彦 金沢大学, 医学系, 教授 (20313637)
中谷 壽男 金沢大学, 保健学系, 教授 (60198124)
小倉 康平 金沢大学, 新学術創成研究機構, 助教 (00586612)
向井 加奈恵 金沢大学, 保健学系, 准教授 (30755335)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | リンパ管 / 3次元培養 / in vitroモデル |
研究実績の概要 |
2020年度はリンパ管のin vitroモデル構築に取り組んだ。まず、3Dバイオプリンター(Cellink社,BIO X)を購入した。本機器は、細胞生存率の高いインクジェット方式のプリンターであること、架橋形成に細胞に有害なUVを用いないこと、プリンドヘッドの温度設定が可能な複数のプリントヘッドを持つこと、細胞外基質の役割を果たすバイオインクの種類が生体に近いものが多いことより採用した。しかしながら、新型コロナウィルスの影響で、納品や設置が大幅に遅れた。その間、下記の実験や条件検討を実施した。 ・リンパ管in vitroモデル構築に必要なリンパ管形成に関わる因子の探索:リンパ管内皮細胞から産生されるmiRNAを遠心・抽出し、脂肪組織由来間葉系幹細胞の培地に添加することでリンパ管形成がなされるかを確認し、リンパ管形成に関わる因子の候補を絞った。 ・3Dモデル構造の決定:作製するリンパ管は、まず1本の円柱状の形状とした。プリンターのノズルで形成できる内径の最小は100~200μmほどであるため、内径200μmの円柱構造をリンパ管のin vitroモデルとして作成すこととした。 ・バイオインクの選定:3次元培養にてリンパ管を作製した際は、ゼラチンとフィブロネクチンで細胞周囲をコーティングし、リンパ管形成が確認できた。よって、3Dバイオプリンターのバイオインクは、これらに近いGelMAシリーズ、CELLINKシリーズを使用することを考え、実験を進める。 ・細胞配列:本モデルでは、2種類の細胞を使用するため、各細胞の配列パターンを決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
3Dバイオプリンターの納入は2020年9月に完了したが、設置に東京、大阪から業者が来訪する必要があり、新型コロナウィルスの感染状況と大学の指針とを鑑みながら進めた結果、機器の設置は2021年4月になってしまった。また、設置した機器に不具合があることが分かり、修理に1か月以上要すため、現在プリンターが使用できない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
実験に必要な物品は揃えているため、3Dバイオプリンターの修理が完了次第、実験を開始する。リンパ管形成因子、リンパ管内皮細胞、脂肪組織由来幹細胞を用いてリンパ管のin vitroモデルを作製する。その後、2021年度の計画に移る。
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