研究課題/領域番号 |
20H03978
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
荻田 美穂子 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (00455031)
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研究分担者 |
山口 未久 京都府立医科大学, 医学部, 助教 (20771132)
片寄 亮 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20825963)
中島 千春 滋賀医科大学, 医学部, 看護師 (30882857)
漆谷 真 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60332326)
宮松 直美 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90314145)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ALS / 進行抑制 / 低酸素状態 / 呼吸管理 |
研究実績の概要 |
本研究は筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis: ALS)を対象に、以下3点の研究を行い、ALS進行抑制を目的としたALS患者の在宅呼吸管理プログラ ムの開発を目指すことを目的をしている。研究1では、ALS患者を対象に酸素飽和度および肺活量を経時的に観察し、日中および夜間の体内酸素動態がALS進行および生命予後に影響するかを検討する。研究2ではALS患者を対象に体内酸素動態に関する非参加観察調査を実施し、各生活動作と動作前後の酸素飽和度との関連を明らかにし、低酸素状態を来す動作や介助を同定し、呼吸機能への負担軽減を考慮した看護援助を提示する。研究3では在宅ALS患者を対象にALS患者のNPPV早期導 入に対する阻害要因調査を行い、NPPV導入を阻害している医原性および患者側要因を抽出し、医療上の課題を明らかにする。令和3~4年度の研究実績としては、研究3において、近畿2府3県での調査が完了した。在宅療養を行うALS患者639名に自治体別に調査票を配布し回収率25.0~45.1%であった。97名の一部データについてデータベース構築及び解析を行い、学会発表を行なった。在宅療養中にALS患者の約7割は何らかの医療機関を受診しているが、脳神経内科専門医に受診している者は約6割であった。脳神経内科専門医に受診中の者は、罹病期間が短く、ALS重症度及び要介護度が低い者の割合が高かった。一方、非専門医通院中の者は、胃瘻造設術や気管切開術経験者の割合が高く、専門的な治療後は、在宅療養が中心となり、専門医への診療機会の減少につながる可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、自治体での調査の延期が必要となり、令和3年度予算については6ヶ月の延長申請を行なったが、その後は延長申請通り予算執行した。
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今後の研究の推進方策 |
研究3については、データベースの構築を行い、NPPV早期導入を阻害する医原性及び患者側の要因検討を探索的に進め、成果公表を行う。研究1及び2については、症例登録を開始し、ベースライン調査及び追跡調査を進めていく。
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