研究課題/領域番号 |
20H04019
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
横山 美江 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50197688)
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研究分担者 |
菅原 ますみ お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (20211302)
福田 早苗 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (50423885)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 双子 / 三つ子 / 身体計測値 / 遺伝 / 双生児研究 / 学歴 |
研究実績の概要 |
不妊治療の影響により,年間約1万件の多胎出産があり,多胎出産率は依然高く推移している。多胎児は70%が低出生体重児として出生し,これらは単胎児の約10倍のリスクである。母親は児の発育や発達の遅れに対して不安を訴えることが多く,しかも育児不安の増強により虐待も誘発されやすい。このため,エビデンスに基づいた情報の構築が不可欠である。本研究では,多胎児の身体発育・発達過程を縦断的に調査し,多胎児の出生時の体格がその後の多胎児の発育・発達過程(発達障害の発生状況を含む)および成人後の体格や疾病の罹患等にどのように影響しているかについてビッグデータを取り扱う国際共同研究から明らかにすることを目的とした。加えて,身体計測値は,遺伝と環境の相互の影響を受けえることから,双生児研究法を用いて,それらの影響についても分析した。 今年度は,15か国の29の研究機関(ヨーロッパ、北米、オーストラリア、東アジア)から集められたデータである65,978組の1歳から69歳までの双子を対象として,親の学歴と子どもの身長の関係について分析を行った。その結果,親の学歴は子どもの身長の発育に影響していることが明らかとなった。また,低学歴の親の家庭では、身長に対する共有環境への影響が大きいことが示された。一方,16か国28の研究機関から集められた193,518組の双子を対象として,学歴における遺伝と環境の分析を行った。その結果,学歴は遺伝要因が強く影響していることが示されたものの(遺伝寄与率a2=0.43),遺伝的要因と環境要因のどちらも影響することが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年間2報の国際誌に掲載されているため。
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今後の研究の推進方策 |
国際共同研究をweb会議も用いつつ推進する。
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