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2023 年度 実績報告書

地域在住前期高齢者における要介護化リスクの包括的かつ体系的な解明に向けた疫学研究

研究課題

研究課題/領域番号 20H04030
配分区分補助金
研究機関福岡工業大学

研究代表者

楢崎 兼司  福岡工業大学, 教養力育成センター, 教授 (70549477)

研究分担者 岸本 裕歩  九州大学, 基幹教育院, 准教授 (00596827)
野藤 悠  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (10626047)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード介護予防 / 高齢者看護学 / 運動・身体活動疫学
研究実績の概要

令和5年度においては,当初示した研究実施計画に沿って,令和3年度および4年度に福岡県糟屋郡篠栗町で前期高齢者を対象に実施した疫学調査(前向き観察疫学研究のためのベースライン調査)によって得られたデータのデータセット化を完了した.また,その上でサルコペニア,身体的フレイル,認知的フレイル,社会的フレイル,オーラルフレイル,転倒リスク,motric cognitive risk syndrome(MCR)といった潜在的な要介護化リスクを変数として探索的に規定して,ベースライン時点での実態の記述を試みた.その結果,ここに挙げた変数について,有病率(prevalence)が速報値として以下の通り明らかになった.サルコペニア(重症を含む):13.2%,身体的フレイルおよびプレフレイル:2.2%および42.3%,認知的フレイル:0.8%,社会的フレイルおよびプレフレイル:40.6%および38.5%,オーラルフレイルおよびプレフレイル:37.9%および15.6%,転倒リスク:16.0%,MCR:5.9%.このうち社会的フレイルに関しては,国内高齢者を対象とした先行研究と比べ,著しく高い有病率が認められた.その理由については今後精査を要するが,現時点では新型コロナウイルス感染症流行による影響も,その要因の一つとして挙げられるのではないかと考えている.

令和5年度における追跡調査に関しては,令和3年度対象者に対する2年目の追跡調査および令和4年度対象者に対する1年目の追跡調査を実施し,現在令和6年度に実施予定の前向き解析に向け,データセット化を進行している.

令和5年度における研究成果化に関しては,当該コホートに関する4編の原著論文の発表および3回の講演講師の担当を実施した他,「ささぐり元気もん情報2023」を通した篠栗町民への研究知見の公開や,3件のメディア報道対応を実施した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

【研究実績の概要】に示した通り,当該年度に予定していた研究内容に関しては,令和5年度末までに概ね予定通り完了することができたため,区分については「(2)おおむね順調に進展している。」を選択した.

今後の研究の推進方策

前項の【現在までの進捗状況】にも記載した通り,令和5年度に予定していた研究内容に関しては,年度末までに概ね予定通り完了することができたと考えている.本課題の最終年度である令和6年度においては,当初示した研究計画調書の【目的①】の内容に沿って,包括的・体系的な要介護化リスクの実態の解明をさらに進めた上で,【目的②】の内容に沿って,最長約3年間の追跡調査データを用いて包括的・体系的に規定された要介護化リスクと要介護認定などのヘルスアウトカムとの関連を明らかにしていきたい.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 備考 (3件)

  • [国際共同研究] COSMIC (University of New South Wales)(オーストラリア)

    • 国名
      オーストラリア
    • 外国機関名
      COSMIC (University of New South Wales)
  • [国際共同研究] 同済大学(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      同済大学
  • [雑誌論文] Lifestyle and incident dementia: a COSMIC individual participant data meta-analysis2024

    • 著者名/発表者名
      Van Asbroeck S, Narazaki K (64人中51番目) et al.
    • 雑誌名

      Alzheimer's & Dementia

      巻: In press ページ: null

    • DOI

      10.1002/alz.13846

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Longitudinal changes in moderate-to-vigorous physical activity in community-dwelling older men and women: A two-year prospective cohort study in Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Chen T,Chen S,Honda T,Nofuji Y,Kishimoto H,Narazaki K
    • 雑誌名

      Journal of Physical Activity and Health

      巻: 20 ページ: 886-893

    • DOI

      10.1123/jpah.2022-0411

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Accelerometer-measured sedentary behavior and risk of functional disability in older Japanese adults: A 9-year prospective cohort study2023

    • 著者名/発表者名
      Chen T,Chen S,Honda T,Kishimoto H,Nofuji Y,Narazaki K
    • 雑誌名

      International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity

      巻: 20 ページ: 91

    • DOI

      10.1186/s12966-023-01490-6

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 加速度計で調査した地域在住高齢者の身体活動:篠栗元気もん研究2023

    • 著者名/発表者名
      陳涛,本田貴紀,陳三妹,熊谷秋三,楢﨑兼司
    • 雑誌名

      運動疫学研究

      巻: 25 ページ: 114-115

    • DOI

      10.24804/ree.2155

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [備考] researchmap

    • URL

      https://researchmap.jp/narazaki

  • [備考] 「健康寿命」を延ばす新しい介護予防をデータから健康づくりを提言

    • URL

      https://www.youtube.com/watch?v=nZVDo2F4ux8

  • [備考] 福岡工業大学 研究者総覧

    • URL

      https://researcherdb02.fit.ac.jp/html/100000092_ja.html

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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