研究課題/領域番号 |
20H04302
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
酒井 正彦 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (50215597)
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研究分担者 |
東条 敏 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (90272989)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自動採譜 / テンポと拍子の取得 |
研究実績の概要 |
本研究の目的である、リズムの構造を考慮し自然言語の解析手法の応用により、MIDIデータからの自動採譜手法の確立を目指すために研究を行い、以下の成果が得られた 1.単旋律のリズム量子化:これまでの鍵盤OFFイベントを無視したリズム量子化に対して、これを考慮することにより休符を認識できるように改良した。(https://git.trs.css.i.nagoya-u.ac.jp/transcription/qparselib/-/tree/offset3)実験により、OFFイベントは楽譜上のタイミングよりも早く起こることを考慮した処理が必要であること、また、OFFイベントはONイベントと比べて演奏の際にタイミングがずれていても人に認識されづらいため、タイミングのズレをおおらかに解釈することが必要であることが分かった。 2.複数旋律のリズム化に向けた考察:当初、和音のない複数旋律に対する処理法の検討したが、まず和音を含む単旋律の処理法を先に確立したほうが近道であるとの結論に至った。 3.テンポと拍子の獲得:初期テンポの取得のため、Dixonのアルゴリズムを実装し、リズム量子化システムでの利用が可能であることを確認した(https://git.trs.css.i.nagoya-u.ac.jp/transcription/meter-induction/)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナの影響により海外の共同研究者との協調が進展せず遅れていたが、繰越措置により2022年度中までにほぼ予定していた研究成果を得ることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度以降の研究方針は以下のとおりである。 1. リズム量子化の際に用いる文法を、実際の楽譜から拍子毎に定める。 2. 引き続き複旋律に対する自動採譜方式の検討を続けると共に、リズム量子化の和音を含む場合への拡張を検討すること。 3. MIDIイベントと楽譜上の音符や休符が1対1に対応しないことによって起こる問題点を理論的に整理して明らかにすること。 4. リズム量子化手法に対してテンポ変化への追随機構を発見し、組み込むこと。
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