研究課題/領域番号 |
20H04433
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
岡本 卓也 信州大学, 学術研究院人文科学系, 准教授 (30441174)
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研究分担者 |
林 幸史 大阪国際大学, 人間科学部, 准教授 (10567621)
速水 香織 信州大学, 学術研究院人文科学系, 准教授 (60556653)
石盛 真徳 追手門学院大学, 経営学部, 教授 (70340453)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 歩くこと / 観光行動 / ウォーキング / 散歩 / ロングトレイル / お遍路 / 巡礼 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,「道を歩くこと」の意味と,観光旅行における資源としての「道」の可能性を明らかにし,地域における新しい「道」の活用法を提案することである。 上記の目的を達成するため,(1)「道を歩くこと(walking, wanderlust)」に伴う心理的機能,認知機能の変容の検証,(2) 観光行動における「道(街道・巡礼路・登山道)」の意味づけや利用法の歴史的変遷の検証,(3)「道」の管理・活用が観光地の活性化に与える影響過程の分析を行う予定であった。 (1)について,散歩をする人を対象に,移動中の感情経験,時間感覚,同行者との相互作用の実態を確認するためアイトラッキンググラスによって,移動中に視線行動の特徴を計測を行った。現在はデータの解析中である。唾液中ストレスマーカーによるストレスの変化測定については,Covid-19による感染リスクの高さから実施できなかった。また,徒歩遍路をする人を対象にしたアンケート調査を行った。 (2)について,前年度に引き続き,各時代・各階層における観光行動に対する意識のあり方を明らかにするため,江戸時代を中心に刊行された道中記等を取り上げ,記載内容の分析を通じて「徒歩移動」を前提とした時代における観光行動に対する人々の意識や興味のあり方について検討を行った。 (3)について,ニュージーランドにおけるトレッキングおよび道の管理の在り方について調査を行った。様々なトレイルルートにおけるドネーションや保護管理団体の実態などが浮き彫りになった。また,2011年に開通したロングトレイルルートTe Araroaの利用者に関する調査を行った。 また,地域の中で様々な観光施設を利用する観光客をどのように認知,評価しているかに関する尺度の開発を行い,松本市においてアンケート調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在までの達成度を上記のように評価した理由は、次の通りである。 当初計画していた,山行者を対象とした調査や徒歩観光客を対象にした調査については,COVID-19の感染拡大のため,実施することが出来なかった。また,ロングトレイルに関するいくつかのイベントが開催規模を縮小するなどしていたため,予定した調査の実施が出来なかった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は,主に以下の3つの研究プロジェクトを遂行する予定である。ただし,調査対象者を必要とする研究計画のため,COVID-19の流行状況によっては,計画の変更の可能性がある。 【研究1】山行行動,徒歩遍路の心理的変容にかんする調査 【研究2】地域の「道」の活用と地域活性化のメカニズムや可能性の検討 【研究3】個人の志向性に応じた道の提案システムの検討
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