研究課題/領域番号 |
20H04439
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
石本 東生 國學院大學, 観光まちづくり学部, 教授 (00713231)
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研究分担者 |
宮崎 裕二 東洋大学, 国際観光学部, 講師 (50844057)
武田 淳 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 講師 (00779754)
中嶋 真美 玉川大学, 文学部, 教授 (80555409)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | EU(欧州連合) / 観光セクター / ギリシャ / 資金支援政策 / EU FUNDING |
研究実績の概要 |
2020年度は、新型コロナの世界的な感染拡大により、調査対象地としているギリシャの入国制限、および日本国外務省の渡航勧告(レベル3)が発出され、現地調査が実施不可となった。そのため、国内における文献調査に集中する方向に転換した。その研究成果として、本研究チームで、以下の2本の査読論文を発表した。 ・石本東生、宮崎裕二、武田淳、中嶋真美「EUによる域内観光振興に関わる資金支援政策の研究-主要関連基金を対象に-」『日本国際観光学会論文集』第28号、2021年、101ー110頁。 ・中嶋真美、宮崎裕二、武田淳、石本東生「EUにおける観光セクター関連公的支援プログラムの多元性-”EU FUNDING FOR THE TOURISM SECTOR 2014-2020"を手がかりに-」『日本国際観光学会論文集』第28号、2021年、111ー120頁。 また、2020年10月に開催された日本国際観光学会全国大会においては、上掲2本の研究論文に関する学会発表をそれぞれにおこなった。 一方、新型コロナ感染症の世界的拡大により、ギリシャへの出張が実施不可となったため、結果、本年度分研究資金の大半を令和4年度まで事故繰越せざるを得ず、令和4年6月10~19日の10日間に、晴れてギリシャの現地出張を実施するに至った。その際は、ギリシャ・ペロポネソス半島中東部の南キヌリア市を訪れ、EUの助成プログラム実施主体機関、および受益事業者への聞き取りをおこない、次年度分のより詳細な現地調査を見据えた準備を整えることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、南欧ギリシャでの現地調査によるデータ収集が研究の重要部分を占めるが、【研究実績の概要】においても述べた通り、新型コロナの世界的感染拡大により、現地調査の実施を見合わせざるを得なかった。そのことが、本年度の研究遅滞の最大の要因となった。 しかし一方で、本研究関連分野の文献研究を広くおこない、本研究グループで2本の査読論文を年度中に発表し、EUによる域内観光振興に関わる資金支援政策の大枠、法的枠組みを明らかにできたことは、評価に値すると考えている。 また、新型コロナの影響による結果として、本年度研究資金の大半を次々年度(令和4年度)まで事故繰越するに至ったが、令和4年6月にギリシャ現地調査を実施することができ、現地受け入れ側の多大な協力も得て、大変充実したリサーチができた。すなわち、総体的に見れば、令和2年度分の研究資金利用という観点からは、当初の研究計画は「おおむね順調に進展している」と言える。
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今後の研究の推進方策 |
前述の通り、当該年度の研究資金のうち多くの額を次々年度(令和4年度)まで事故繰越したが、令和4年度夏期には、充実した調査研究ができたことは幸いであった。 令和5年度以降は、EUの資金助成制度の中でも、特に農村地域における中小規模観光事業者を助成対象としたLEADERプログラムに焦点を絞りつつ、エーゲ海南部の島嶼地域を中心に、事例研究を進める予定。 また、同地域での調査に区切りが付いた段階で、令和6年度以降は、ギリシャ本土北部の条件不利地域におけるEU資金助成と観光産業発展の関係性について、調査を継続していきたい考えである。
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