研究課題/領域番号 |
20H04439
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
石本 東生 國學院大學, 観光まちづくり学部, 教授 (00713231)
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研究分担者 |
武田 淳 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (00779754)
宮崎 裕二 東洋大学, 国際観光学部, 准教授 (50844057)
中嶋 真美 玉川大学, 文学部, 教授 (80555409)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | EU(欧州連合) / 農村地域 / LEADER-CLLD / ローカルアクショングループ(LAG) / ギリシャ |
研究実績の概要 |
令和3年度は前年度同様、新型コロナウイルスの影響により、外務省から渡航に関する注意喚起が発出され、且つ予定していた研究協力者(ギリシャ国立テサロニケ大学農業森林環境科学部、クレタ島レティムノ市観光振興局、レティムノ市都市計画局等)との打ち合わせ、聞き取り、および現地共同調査を実施することができず、計画していた研究事業を年度内に完了することが困難となった。 そのため、当該年度も研究関連分野の文献研究とその成果を査読論文として発表する方向に転換した。具体的には、以下の研究論文を執筆、学会論文集に掲載された。 ・石本東生「EUの農村観光地域における資金支援制度 LEADER・CLLDプログラムの歴史的経緯、特徴・理念の研究」『日本国際観光学会論文集』第29号、2022年、57-65頁。 一方、本年度の研究資金の大半は、上記理由のため、翌令和4年度に繰越しとしたが、研究代表者は令和4年8月17日~9月9日の間、また研究分担者2名は8月23日~30日の間、ギリシャ・エーゲ海地域の現地調査を実施することができた。その際、特に研究代表者は、十分な日数をかけてロードス島全域、ペロポネソス中東部、クレタ島全域において、詳細な聞き取り調査を実施するに至り、また、受け入れ先の機関とも、大変良好な関係を構築することができた。その意味では、令和3年度には研究上の遅れは生じたものの、令和4年度はその遅れを取り戻すことが可能となったと言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記【研究実績の概要】で述べた通り、予期せぬ新型コロナの感染拡大により、令和3年度も再度ギリシャでの現地調査実施が不可となったため、同年度中は、EUによる域内観光セクターへの資金支援の「運用実態」が把握できない状況となっていた。 しかしながら、当該年度の文献研究により、域内農村地域や条件不利地域への経済振興に効果を上げている「LEADER-CLLD」プログラムについて、その法的枠組みや特徴、理念を明らかにすることができた。その成果として、上掲の査読論文を発表するに至った。 また、大半の資金を次年度に繰越し、翌令和4年8~9月期に、十分な日数をかけてギリシャの現地調査を実施し、大量のデータや資料を収集することができたので、ほぼその遅れを取り戻した。令和4年度の年度末時点では、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
前述の通り、令和3年度分の研究資金は翌4年度へ繰越しをおこない、令和4年8~9月には、十分なギリシャ現地調査を実施することが可能となった。本現地調査の実施よって、繰越し分の資金も全額使用した。現在、令和4年度の調査研究で収集した膨大な聞き取りデータを整理しつつ、令和5年度中の査読論文を執筆中である。 一方、エーゲ海南部のロードス島やクレタ島において、さらなる事例調査をおこない、研究を深めるべき必要性も判明してきた。よって、次年度は、上記2つの島々の観光セクターにおけるEUの資金助成の在り方、事例を、さらに解明する調査を継続していく所存である。 また、それ以降は、エーゲ海の島嶼地域とは全く対照的な、ギリシャ本土中部・北部の条件不利地域におけるEUの地域観光振興と資金助成の関連性を研究調査していきたいと考えている。
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