研究課題/領域番号 |
20H04480
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
星 泉 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (80292994)
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研究分担者 |
平田 昌弘 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (30396337)
海老原 志穂 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (30511266)
別所 裕介 駒澤大学, 総合教育研究部, 准教授 (40585650)
山口 哲由 北星学園大学, 経済学部, 准教授 (50447934)
岩田 啓介 筑波大学, 人文社会系, 助教 (60779536)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | チベット / 民俗語彙 / データベース / 文献調査 / フィールド調査 |
研究実績の概要 |
本研究ではチベット文化の複合性を包括的にとらえる基盤を整備するため、チベット語の三大方言の話されている地域を対象として現地調査を行うとともに、民俗文献から用例を収集し、それらを照合する研究を行い、成果はデータベースで参照できるようにすることを目的とする。したがって、現地調査と文献調査の両輪で研究を進めることが必須であるが、2023年度も現地の情勢を鑑み、チベットにおける調査は見合わせざるを得なかった。 そこで前年度に引き続き、2023年度も文献調査に重点を置いて調査・データ収集・分析を進めることとし、民俗文献の整理と、その電子化を行ったほか、精読対象文献として選定したラシャムジャ著『M村民俗誌』については翻訳と民俗語彙の抽出を進めた。2024年2月から3月にかけては著者を招へいし、共同で作業を行った。この他、開発済みの用例検索システムおよび用例蓄積用データベースを用い、各種文献からの民俗語彙の収集も専用のデータベースによって収集を進めるとともに、前年度に開発した「チベット高原万華鏡」を拡充し、「チベット高原万華鏡テキストDB」を公開し、コンテンツとしても、牧畜に関連したことわざを追加した。フィールド写真へのメタデータの付与も順調に進めることができた。 研究集会を4回にわたり実施し、収集した各種用例に基づいた研究発表を行うとともに、別経費で実施した調査から、シッキム、パキスタンの農牧語彙の事例を共有することもできた。また2023年9月には中国チベット学研究センターの研究者の来訪を受け、研究紹介を行うとともに、今後の共同共同についての相談も行った。 また、本研究の研究成果をまとめた論文集については、完成に至らず、2024年度の刊行を目指すこととなった。前年度中に辞書部の組版まで完了させたチベット牧畜文化辞典の英語版(書籍版)についても刊行を後ろ倒しにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
論文集および辞書の刊行が予定通り実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度前半は論文集公刊のための編集作業を行うとともに、状況を見て可能であればパキスタンでの調査を行う。また、用例蓄積用データベースおよび公開用の「チベット高原万華鏡」の拡充を進め、これを活用した研究を進める。『チベット牧畜文化辞典』の英語版(書籍版)を刊行できるよう準備を進めるとともに、『M村民俗誌』の翻訳をウェブサイトで公開する。また、中国チベット学研究センターにて国際ワークショップをで実施し、他地域を対象とする研究者との意見交換を行う。国内でも研究成果公開のためのワークショップを実施する。
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