研究課題/領域番号 |
21H00466
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
浅見 洋 石川県立看護大学, 看護学部, 名誉教授 (00132598)
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研究分担者 |
上原 麻有子 京都大学, 文学研究科, 教授 (40465373)
美濃部 仁 明治大学, 国際日本学部, 専任教授 (50328960)
山本 英輔 金沢大学, 学校教育系, 教授 (50610789)
秋富 克哉 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 教授 (80263169)
森 雅秀 金沢大学, 人間科学系, 教授 (90230078)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 西田幾多郎未公開資料 / 翻刻 / 研究資料化 / 哲学形成過程 / 日本哲学 |
研究実績の概要 |
2022年3月発行の『西田幾多郎未公開ノート類研究資料化 報告5(2022)』の第一部「翻刻の経過」では、西田家寄託の未公開ノート50冊の欧文のみで書かれた読書ノート10冊と語学学習ノート(G06)を除く39冊、レポート類資料については250部中150部の一次翻刻が2021年度で完了したことを報告した。第二部「寄稿」には林晋「京都学派の哲学と超限集合論」とそれに関連して中嶋優太「付録:G. カントル論文読書ノート(F-07、11、20)の調書」、招仕謙「翻刻成果から先行研究へ―西田研究の記憶、あるいは郷愁―」、山田雄介「2021年度の一次翻刻作業のとりまとめ役を務め」、髙橋麻帆「骨清窟のインゼル文庫~西田幾多郎旧蔵本(3)」と題した5本の寄稿を掲載した。また、第三部「翻刻」には森雅秀が「印度哲学 村上講師」(A04)(承前)、中嶋優太が「「Gedakan」思索ノート(C04)について」として翻刻本文を掲載した。 本研究における資料化事業の最大の目的はその成果を西田哲学研究に活用していただくことである。それ故、2020年9月23日に本館編集で刊行された『西田幾多郎全集 別巻』(岩波書店)、同年3月10日に哲学館のHP上に公開した「西田幾多郎ノート類デジタルアーカイブ」を研究対象とした学術論文が発表されたり、論文中に引用されている。中でも、中嶋優太「西田の新資料「倫理学講義ノート」における人格の問題」『西田哲学会年報』第18号、2021年8月、50-68頁、吉野斉志「西田幾多郎の初期宗教哲学とその背景-新発見の宗教学講義ノートより―」『宗教研究』第96巻第3号、2022年12月、27-50頁の2編は、『別巻』に収録された「倫理学講義ノート」「宗教学講義ノート」を研究対象とした若手研究者による学術論文であり、まさに本事業に基づく成果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の中核である未公開資料の一次翻刻、二次翻刻と資料研究はほぼ計画通りに進展しており、資料化研究の成果である刊行物、デジタルアーカイブの研究活用も順調になされている。ただし、当初計画していた幾つかの資料調査はコロナ感染拡大のため、2021年度内には実施できなかった。しかし、予算の繰越によって次年度前半には計画通りに実施することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度の一次翻刻の方法はこれまでと変化がない。また、翻刻対象は西田家寄託の水損ノートに加えて、前年度から全集編集のために岩波書店が所有しているコピー資料(岩波コピー)をも対象としており、翻刻の契約頁数は京都大学が660頁、金沢大学は294頁の予定である。二次翻刻は翻刻者の移動に伴って年度の後半から幾分か変更する。対象としては「思索メモ(資料分類上は思索ノート)」の翻刻をほぼ完了し、1月半ばからは岩波コピーの55「Logic」の二次翻刻を実施している。 また、資料調査として大分豊後竹田市の故茅野良男氏蔵書、東京都杉並区の故上田薫氏所蔵の西田関係資料を予定している。
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