研究課題/領域番号 |
21H00485
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
塩川 博義 日本大学, 生産工学部, 教授 (50187324)
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研究分担者 |
柳沢 英輔 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特任助教 (00637134)
土田 義郎 金沢工業大学, 建築学部, 教授 (20227424)
梅田 英春 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (40316203)
福岡 正太 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 教授 (70270494)
豊谷 純 日本大学, 生産工学部, 教授 (70459866)
中川 一人 日本大学, 生産工学部, 講師 (90523986)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 金属製打楽器 / 風鈴 / ゴング / 双盤 / ガムラン・ゴング・ルアン / 音響解析 / うなり |
研究実績の概要 |
2023年5月に行われた日本サウンドスケープ協会2023年度春季研究発表会で風鈴の音に対する印象評価の因子分析結果と、有限要素法を用いて南部風鈴と明珍火箸風鈴の発音性状を音響解析した結果を発表した。この研究成果が南部風鈴を制作している工房に「科学が解いた風鈴の音色の秘密は【うなり】である」として引用された。 6月には「双盤の音響特性に関する研究」を日本大学生産工学部研究報告Aにまとめた。 9月には「こぶ付きゴング形状楽器の固有振動に与える残留応力の影響」を日本設計工学会の秋季研究発表講演会で、「風鈴の音色に関する研究 各種風鈴の音響特性と心理的評価の関係について」を日本音響学会秋季研究発表会で発表した。 2023年8月にインドネシア・バリ島へ行き、タバナン地域にある古いガムラン・ゴング・ルアンを1セット測定できた。 2024年1月にタイのバンコクに訪れて、3つの寺院にある8つのゴング(7つは鉄製、ひとつは黄銅製)を計測して、基本周波数を測定した。うちひとつは直径3mもある。3月にはカンボジアのシュムリアップへ訪れて、バンテアイ・チュマール寺院第一回廊外壁に描かれているゴングの浮彫を7か所発見した。また半鐘と竪琴の浮彫も一つずつ発見した。ここは、アンコール・トムのバイヨン寺院と同じジャヤヴァルマン7世が12世紀に建造した仏教寺院であり、ひとつはバイヨン寺院と同じようなゴングの浮彫であった。また、9世紀から10世紀に建造されたいくつかの寺院の浮彫を調査したが、ゴングのそれはなかった。やはり、ゴングの浮彫は11世紀から出現し始める可能性が高い。また、シュムリアップ市内の寺院、バンテアイ・チュマールの敷地内、そして、アンコール・ワットの敷地内にある寺院で、5つのゴング(4つは鉄製、ひとつは黄銅製)を計測して基本周波数を測定できた。1月にバンコクで測定したものとまとめる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は新たにタイのバンコクとカンボジアのシュムリアップにある寺院を訪れて、鉄製ゴングの測定をいくつか行うことができた。また、バンテアイ・チュマール寺院第一回廊外壁に描かれているゴングの浮彫を7か所発見することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、インドネシアやベトナム、カンボジアなどにある寺院や遺跡を訪れて、さらに金属製打楽器の調査や測定を行う予定である。 また双盤は、1.0尺の鉦鼓を新たに購入したので、成分分析を行い、そのデータを用いて、令和4年度製作した1.1尺および1.5尺の双盤を3Dスキャンしてモデリングを行い、音響シミュレーション解析を行う予定である。
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