研究課題/領域番号 |
21H00513
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
山本 洋平 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (40646824)
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研究分担者 |
小倉 咲 津田塾大学, 言語文化研究所, 研究員 (00822488)
ゴーマン マイケル 広島市立大学, 国際学部, 教授 (20625892)
下條 恵子 上智大学, 文学部, 准教授 (30510713)
舌津 智之 立教大学, 文学部, 教授 (40262216)
高野 泰志 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (50347192)
松永 京子 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 准教授 (50612529)
貞廣 真紀 明治学院大学, 文学部, 教授 (80614974)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 環境文学 / エコクリティシズム / エコフェミニズム / 西部文学 / リージョナリズム |
研究実績の概要 |
本研究「基盤研究B:アメリカ(中/南)西部文学におけるトランスリージョナリズムとエコフェミニズム」は5年計画(2021年-2025年)で進められている。環境文学・エコクリティシズム・アメリカ西部文学を専門とする研究者とその隣接分野を専門とする研究者との間での対話を通じて、西部文学・西部表象を再定義することを目的としている。より具体的には、(1)文学研究におけるトランスリージョナリズムの視座の応用可能性、(2)2010 年代以降も陸続と更新されるエコフェミニズムの現在までの到達点とその限界、(3)西部・中西部・南西部の文化的独自性および相互関係性、という3つの観点から探求を続けている。
本研究課題2年目にあたる2022年度は、「西部文学」と「エコフェミニズム」の知見を深めつつ、研究分担者の間で、最終成果のイメージを共有する年に位置づけた。なかでもProf. Audrey Goodmanを基調講演者として招聘した7月29日の研究会が収穫であった。研究協力者に森田系太郎氏を招き、エコフェミニズムの概要を把握したのちにグッドマン教授による"Reading American Western Photobooks, Visualizing Environmental Knowledges"を拝聴した。
以上の研究会では、西部文学と視覚文化の相互関連の重要さを知ることができた。写真、動画、映画といったメディアを本研究でもどれだけ目配りできるかについては、今後理解を深めたい。研究会の準備過程で、エコクリティシズムおよびエコフェミニズム序説の動画を作成し、分担者ならびで協力者と事前に共有することで、科研の課題を深く理解したうえで、参加者が研究会に臨むことができる体制を整えられたことは収穫であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ渦の余波の残る2021年度と比較して、2022年度はオンラインを活用しつつ、研究会を通じた情報交換を有効に進めることができたが、いまだに国際交流が難しい面の残っており、フィールドワークなどは想定よりは進められなかった。他方、国内・オンライン講演会の実施、ならびに、今後の研究の基礎となるエコクリティシズムおよびエコフェミニズムの動画を作成できたことは今後の研究に資すると見込まれ、収穫と言える。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は、これまでと同じく研究会を実施することで研究内容の理解を深めつつ、最終成果の立案を進める。とりわけ多岐に渡るテーマをどのように論集という形でまとめていくかが鍵となる。そのためにも、「西部文学」「エコフェミニズム」「トランスリージョナリズム(移動と定住の往還)」の再定義を進めつつ、互いの関連性を記述する作業を進めることになる。
より具体的には、Stacy Alaimo先生のご講演、国内研究者との交流をさらに加速させたい。また、次年度は研究プロジェクトの中間年にあたるため、研究分担者の報告会を実施することで、最終成果の全体像を把握することに努めたい。
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