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2021 年度 実績報告書

主題・焦点に関する日本語と世界の諸言語の多言語対照と言語教育への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21H00526
配分区分補助金
研究機関日本大学

研究代表者

井上 優  日本大学, 文理学部, 教授 (30213177)

研究分担者 野田 尚史  日本大学, 文理学部, 教授 (20144545)
中西 久実子  京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (30296769)
大澤 舞  獨協大学, 外国語学部, 准教授 (70610830)
桐生 和幸  美作大学, 生活科学部, 教授 (30310824)
原 真由子  大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 教授 (20389563)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード主題 / 焦点 / 多言語対照 / 日本語教育 / 外国語教育
研究実績の概要

本研究の目的は次の2つである。①日本語を中心にすえた世界の諸言語の主題・焦点に関する多言語対照をおこなう。②日本語学習者に対する日本語の主題・焦点の教授法,ならびに日本語母語話者に対する外国語の主題・焦点の教授法について検討する。
①については,世界の諸言語の主題・焦点に関する多言語対照の枠組みを構築する準備作業として,主に日本語・中国語・ネワール語・インドネシア語を対象として,(1)各言語で主題・焦点を表すとされる表現の種類と性質,(2)各言語において主題・焦点に関わるとされる現象と先行研究における分析の2点について,情報の整理をおこなった。主題に関しては,日本語の「は」の研究を基礎とした多言語対照の枠組みが固まりつつある。焦点については,従来の焦点研究の枠組みは多言語対照のためには複雑すぎるという認識のもとで,焦点をよりシンプルな形で捉える方法について検討した。
②については,日本語の主題・焦点を表す表現の学習上の困難点を探るために,次のような調査およびデータ整理をおこなった。(1)中国語・韓国語を母語とする日本語学習者を対象とした「は」「が」の選択式の筆記テストと,テストの結果をふまえたインタビュー調査(「は」「が」の使い分けに関する知識,「は」「が」の使い分けの困難点)。(2)中国語を母語とする日本語学習者を対象とした,日本語の講義を聞き,その理解過程を母語で話してもらう調査。(3)日本語の文章を読み,その理解過程を母語で話してもらう調査(調査対象はミャンマー語を母語とする日本語学習者)で得られたデータの文字化・翻訳・整理作業。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

①日本語を中心にすえた世界の諸言語の主題・焦点に関する多言語対照,②日本語学習者に対する日本語の主題・焦点の教授法,ならびに日本語母語話者に対する外国語の主題・焦点の教授法に関する検討,という2つのテーマのうち,②については研究が着実に進められている。①についても,主題に関しては,日本語の「は」に関する研究の蓄積をふまえた多言語対照の枠組みが固まりつつある。
①のうち,焦点については,焦点に対する見方が研究対象とする言語や研究者によって異なることから,多言語対照のためには研究分担者および研究協力者の間で十分な情報交換と議論をおこなう必要があるが,COVID-19の影響などにより,当初予定していたような形での情報交換と議論ができなかった。

今後の研究の推進方策

①日本語を中心にすえた世界の諸言語の主題・焦点に関する多言語対照,②日本語学習者に対する日本語の主題・焦点の教授法,ならびに日本語母語話者に対する外国語の主題・焦点の教授法に関する検討,という2つのテーマのうち,①については,主題に関する多言語対照の枠組みを確定させるとともに,研究分担者と研究協力者とで具体的な分析を開始する。それと並行して,主題と対比させる形で焦点に関する多言語対照のためのシンプルな枠組みを仮に構築し,それをたたき台として,研究分担者および研究協力者の間で情報交換と議論を定期的におこなう。
②については,日本語の主題・焦点の教授法に関する検討を引き続き進めるとともに,①の研究とも関連させながら,研究分担者と研究協力者が専門とする外国語の主題・焦点の教授法に関する検討を開始する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 私の対照研究のやり方2022

    • 著者名/発表者名
      井上優
    • 雑誌名

      国語と国文学(東京大学国語国文学会)

      巻: 99-5 ページ: 3-14

  • [学会発表] 対照言語学の観点から見た日本語のとりたて表現2022

    • 著者名/発表者名
      野田尚史
    • 学会等名
      Prosody and Grammar Festa 6(国立国語研究所)
    • 招待講演
  • [学会発表] 日本語とスペイン語の対照研究 ―語順・主語・主題を中心に―2022

    • 著者名/発表者名
      野田尚史
    • 学会等名
      Kobe-NINJAL言語学コロキウム「日本語研究の最前線2」(国立国語研究所)
    • 招待講演
  • [学会発表] 中国語や韓国語を母語とする日本語学習者の使用実態からみる日本語の「焦点」「強調」「例示」―「日本には小京都がいくつかあるが,金沢{は・が}その一つである」などを例に―2022

    • 著者名/発表者名
      中西久実子・張浩然
    • 学会等名
      日本語文法研究のフロンティア―母語話者の日本語と学習者の日本語の対照研究を中心に―(国立国語研究所)
  • [学会発表] 中国語を母語とする上級学習者は「は」「が」 をどう使用しているのか-従属節内の「は」「が」の使用実態と使用意識の 調査データを中心に-2021

    • 著者名/発表者名
      中西久実子・張浩然
    • 学会等名
      日本語教育学会2021年度秋季大会
  • [学会発表] Unsur penegasan dan pemfokusan (Toritate) dalam bahasa Indonesia: perbedaan antara SAJA dan JUGA(インドネシア語におけるとりたて表現:sajaとjugaの違い)2021

    • 著者名/発表者名
      Hara Mayuko
    • 学会等名
      2021年インドネシア言語学会国際大会

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公開日: 2022-12-28  

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