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2021 年度 実績報告書

時空間マッピングの認知的基盤に関する理論的・実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21H00528
配分区分補助金
研究機関大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所

研究代表者

田窪 行則  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 所長 (10154957)

研究分担者 長屋 尚典  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (20625727)
中田 節子 (有田節子)  立命館大学, 言語教育情報研究科, 教授 (70263994)
細馬 宏通  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (90275181)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード時空間マッピング / 比喩 / ジェスチャー / 時空間認知 / 時間表現
研究実績の概要

2021年度は新型コロナ感染症の影響で、実験、フィールド調査が行えなかっため、予定通り、主として2022年度以降の研究に向け、以下の準備作業を行った。時空間マッピングにかかわる言語表現を記述し、そこにかかわる認知的操作を随伴ジェスチャーによってどのように明らかにするかを考察するのを目的として、以下の記述作業、コーディングの方法の開発、調査準備、実験準備を行った。

1. 時間表現と随伴ジェスチャーの分析のためのコーディング方法の開発を行った(全員)。2.宮古語における時間表現と随伴ジェスチャーのための書き起こし作業を行った(田窪、有田、細馬)。3.時空間の比喩表現における写像関係の記述を行った(田窪)。4. オンライン会議における時空間調節を考えるべく、回線の遅延がもたらすコミュニケーションのずれについて考察し,論文として発表した(細馬、村岡春視と共著)。また、絵画、映画、ゲームなどさまざまなメディアにおける、プレイヤー、鑑賞者の時空間認知について考察した(細馬)。5.ラマホロット語ならびにタガログ語の時空間表現についての基礎的調査を行った。既に収集したデータを整理分析することで両言語の研究を進めた。特に、ラマホロット語については「山」や「海」などの意味を持つ要素が文法化したものである方向詞の研究に集中し、sociotopographyと呼ばれる環境と空間表現の相関を想定するモデルのなかで分析を行い、その成果を雑誌論文で発表した(長屋)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度はこれまでの研究の蓄積を整理し、それを次年度の実験計画に利用することが目的であるため、ほぼ当初の予定通りの進捗状況である。

今後の研究の推進方策

2022年度以下の研究を行う。(1)前半は映像のコーディングの方法を確定し、これまでの日本語共通語、宮古語、予備的な映像のコーディングをおこない、時間・空間の言語表現とその転移に関するその写像に関する分析を行う。(2)コロナ感染症の状況次第で実験・調査ができれば、時空間のジェスチャー撮影を行い、それに基づいて、分析を行う。(3)平行して、時間・空間間の比喩的転移に関する言語表現の記述を行う。(4)海外共同研究者のRafael Nunez氏を招いてワークショップを行い、随伴ジェスチャーに関する実験のデザインに関するアドバイスを受ける。(5)成果の一部を内外の学会で発表する。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うちオープンアクセス 3件、 査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] UCSD(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      UCSD
  • [雑誌論文] オンライン会議における発話間のオーバーラップの分析2022

    • 著者名/発表者名
      村岡 春視、細馬 宏通
    • 雑誌名

      人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会

      巻: 94 ページ: 78~80

    • DOI

      10.11517/jsaislud.94.0_14

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Directionals, topography, and cultural construals of landscape in Lamaholot2022

    • 著者名/発表者名
      Nagaya Naonori
    • 雑誌名

      Linguistics Vanguard

      巻: 8 ページ: 25~37

    • DOI

      10.1515/lingvan-2020-0022

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 的のように予期し、矢のように遡る : 鳥獣戯画の行為分析 (特集 鳥獣戯画の世界)2021

    • 著者名/発表者名
      細馬 宏通
    • 雑誌名

      ユリイカ

      巻: 53-4 ページ: 93-103

  • [雑誌論文] Morphophonemics of Ikema Miyakoan2021

    • 著者名/発表者名
      Takubo, Yukinori
    • 雑誌名

      John Kupchik, Jose Andres Alonso de la Fuente, and Marc Miyake eds. Studies in Asian Historical Linguistics, Philology, and Beyond.

      巻: 無し ページ: 65~79

    • DOI

      10.1163/9789004448568_007

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 聴取と動作によって生まれるアクション RPGゲーム空間 ー 視覚障害者の空間探索と認知2021

    • 著者名/発表者名
      田中 みゆき、細馬 宏通
    • 雑誌名

      人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会

      巻: 91 ページ: 91-96

    • DOI

      10.11517/jsaislud.91.0_17

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 逆編集されるルーティーン : ワイズマンの『動物園』 (特集 フレデリック・ワイズマン)2021

    • 著者名/発表者名
      細馬宏通
    • 雑誌名

      ユリイカ

      巻: 53-15 ページ: 121-126

    • 査読あり
  • [学会発表] A Note on Conditionalized Imperatives in Japanese.2021

    • 著者名/発表者名
      Arita,Setsuko
    • 学会等名
      Workshop on Conditionals in Japanese, English, and beyond.(Zoom)
  • [学会発表] 日本語条件文の意味論・語用論―九州方言調査から見えてきたこと―2021

    • 著者名/発表者名
      有田節子
    • 学会等名
      日本語学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 国語教科書における条件・ 譲歩表現の使用実態―年少者に対する日本語教育の基礎資料―2021

    • 著者名/発表者名
      松本里美、有田節子
    • 学会等名
      日本語文法学会
  • [学会発表] 「右」も「左」もない言語と言語類型論2021

    • 著者名/発表者名
      長屋尚典
    • 学会等名
      第49回 HMC オープンセミナー
    • 招待講演
  • [図書] 南琉球宮古語池間方言辞典2022

    • 著者名/発表者名
      仲間博之、田窪行則、岩崎勝一、五十嵐陽介、中川奈津子
    • 総ページ数
      460
    • 出版者
      国立国語研究所
    • ISBN
      9784910257129

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公開日: 2022-12-28  

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