研究課題
2022年度は新型コロナ感染症およびインドネシア政府の方針の変更等により、予定していたフィールドワーク、実験が行えなかったため、主としてこれまで収集したデータを整備し、時空間マッピングとそこに関与する認知的操作を考察した。そのため、時空間マッピングに関わる言語表現を言語学的に分析し、さらに言語的発話に随伴するジェスチャーの観察と分析によって、時空間の認知操作の相関を明らかにするため(1-5)を行った。その中間成果を研究参加者がオンラインおよび面談の会議により討議した。また、一部を2023年度に繰り越して、(6)を行った。(1)日本語指示詞が時間・空間における距離をどのように相関させるかを研究し、ハワイ大マノア校で招待講演を行った。(2)スペイン語と日本語の時間表現について対照研究をすすめ、テンスとアスペクトについてスペインで学会発表を行った。(3)2020年以来のコロナ禍でのオンライン・コミュニケーションのもたらす遅延が話者間の時空間調整にどのような影響を与えるかについて論文を学会誌に掲載した。(4)マンガ・メディアにおける発話が歴史上どのようにコマ内に配置されてきたかについて論文を学会誌に掲載した。(5)オーストロネシア語族であるタガログ語およびラマホロット語のビデオコーパスについて構築を進めた。特に、ラマホロット語およびそれが話される地域の言語類型論的特徴を調査し、まとめて論文を準備した。(6)2022年度に予定していたフィールドワークが新型コロナ感染症で実施できなかったため、2023年度に繰越を行い、2023年8月に宮古島を訪れ、自然談話の時空間表現の随伴ジェスチャーについて録画し、発話を書き起こし、随伴ジェスチャーをコード化して分析した。
3: やや遅れている
2022年に行う予定だったフィールドワークおよび実験ができなかったため、2023年に繰り越した。そのせいで全体に遅れがでているが、言語学的分析を前倒しで行っており、それほどの遅延はない。
一部繰越を行って遅延した部分はそれにより補う。また、実験、フィールドワーク以外の作業を前倒して行う。
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ユリイカ
巻: 54 ページ: 69-76
社会言語科学
巻: 25 ページ: 55-69
10.19024/jajls.25.1_55
巻: 25 ページ: 230-237
10.19024/jajls.25.1_230